板鍋山の雲海〜広島県豊栄町

1か月ほど前だったか板鍋山の雲海を狙おうと行ってみたのだが、
山頂に続く道が土砂災害で通行止めになっており、
確か北側からも道があったはずだが、
下調べをしていなかったので断念している。
それが年内の心残りでもあったのと、
昨日、御調を通過した時に霧が大量発生していたこともあり、
板鍋山へ行ってみることにした。







5時に家を出発して、御調経由で豊栄へ向かう。
昨日は大量に発生していた霧も今日はまったく無い。
気象条件はさほど変わらないはずなのに昨日と今日で何が違うのだろうか。
その後も豊栄へ向かう道中は一切霧は無く、
今日の雲海は不発に終わるかもしれないが、
霧は太陽が上がると同時に発生する可能性もあるのでダメ元で行ってみる。

板鍋山の登山道は国道375号線から案内板が出ており、
曲がった1本道を真っすぐ進めば自然と山頂に着く。
何年か前に初めて上がった時も同じ道を走ったことを思い出した。
道のりは比較的広い道で山頂まで綺麗な道路状況で素人でも安心して走れるのは、
山頂に何社ものアンテナが存在しているからであろう。

豊栄なので1時間30分あれば着くかと思ったが、
意外と時間がかかり山頂に着いたのは6時50分。
日の出時刻が7時15分なので、
ちょうど東の空は綺麗なトワイライトに染まっていた。
標高約750mある板鍋山の山頂から見る景色は、
何も遮るものが無く360度の大パノラマが広がっており、
これだけ標高があってこれだけ視界が良いのは珍しいかもしれない。
眼下に豊栄の街並みが見下ろせて、
まるで空を飛んでいるかのように思えてくる。
ただ1つだけ残念なのが、山頂周辺にはテレビ局のアンテナや防災無線が立っており、
構図的にはかなり絞られてしまうということ。
思い切って人工物を入れてしまえば良いのだが、
どこまで妥協するかが問題点である。
今の時期、ちょうど太陽がアンテナと重なってしまい、
その方向に雲海が広がっていればかなりの障害となってしまう。
時期的に10月くらいだとアンテナから左側へ遠ざかるのでタイミングとしては悪い時期に来てしまったということになる。


※太陽が昇る東方面、時期的にアンテナと被るので左側から昇る秋くらいが良さそう。
 方角的には大和町、雲海というより朝靄がかかっている


※吉舎の方角はかなり雲海が広がっている。


※西方面は全然霧が無いが、安芸高田市に雲海が見える。


※南方面に霧は無し。各局のテレビやラジオの電波塔群





今日は標準レンズは使わず、
アンテナとアンテナの隙間から望遠レンズを使って構図を練る。
今日は不運にも板鍋山の麓に雲海は無く、
遥か遠い山々に雲海が発生していた。
太陽が昇れば霧が流れ込むと期待したが、
残念ながら豊栄の町を霧が呑み込むことは無かった。
上空は綺麗な青空に綺麗な朝焼けに染まる雲が広がっており、
目の前に雲海が広がっていればさぞかしフィルムが足りないくらいシャッターを切っていたかもしれない。
北の方角を見れば雲海がどこまでも続いており、
それを考えると今日も撮影場所の選択を間違えたか、
というより今年はいつもこんな調子である。


※ハレ切りしながら撮影



8時前に撮影を切り上げて下山。
今日は訪れた時から帰る時まで誰一人逢うことは無かったが、
数ある雲海スポットの中でも板鍋山は穴場だった。
日差しの当たっていない畑や木々は霜が降りて真っ白。
かなり冷え込んでいたので霧が出ても良さそうなのだが、
今日は一体何が足りなかったのだろうか。



帰りに宇根山で雲海撮影の下見。
吉田のイルミ会場から山頂へ続く道がある。
初日の出の朝は大勢の人が訪れるらしい。
視界良好の大パノラマで運が良ければ眼下に雲海が広がるという話。







写真館 二千年一夜