大井谷の灯〜島根県柿木村

数日前に大井谷の棚田がイルミネーションする情報が入って来た。
島根県奥出雲町の追谷の棚田でもイルミネーションが行われているが、
その団体の協力で大井谷の棚田でもイルミネーションをやってみようという地元の団体が立ち上がって今回のイベントが実現されたらしい。
日本の棚田百選にも認定されており、
また個人的に好きな棚田で何とか撮影している場所でもあるので、
ちょっと遠いが記念すべき第一回目でもあるので行ってみることにした。







家を出発したのは13時過ぎ。
交通費節約のため志和ICから岩国まで移動して北上するつもりだったが、
16時30分までに現地に着いておきたかったので、
志和ICからそのまま六日市ICまで高速移動。
六日市ICから近いと思っていたが、
インターから棚田まで20キロくらいの距離があるので、
岩国ICから下道で向かっていたら完全に17時を回っていた。
交通費を奮発した甲斐あって16時30分、予定通り棚田に到着。
あまり告知をしていないので、もしかして殆ど人がいないのでは!?
イルミ設置するボランティアが集まらず今日はイベントが中止になってたりして!?
など不安に思っていたが、現地に着いたら棚田の駐車場はほぼ満車で、
既に棚田にはたくさんのライトが設置済だった。
ちょうど会場内で開会式が行われており厳かな雰囲気になっている。
どうやら来賓の挨拶中だったようで誰一人としてウロウロしている人はおらず、
みんな挨拶をしっかり聞いていた。







暗くなる前に棚田をどこから撮るか散策を兼ねて現地調査。
大井谷の棚田はかなり広範囲で個人的に好きな撮影ポイントは集落の上から見下ろすポイントなどいくつかあるのだが、
ライトが設置しているのは小高い展望台から見える棚田一帯だけであった。
展望台へ行ってみると数名のカメラマンが既にスタンバイ済で地元の人がどうかはわからないが、
他人ながら見事な情報収集力。
ただ展望台からだと灯りが弱いので正直あまりライトが目立たないのではないかと不安があったので、
展望台からの撮影は蹴って棚田周辺から狙うことにした。
なるべく夕暮れ空を入れたいので数カ所に絞って撮影ポイントを決める。
奥出雲町の棚田で使われたライトを持ってきているので、
暗くなると自動で点灯するタイプだとすれば、
これが意外と周辺が暗くならないと目立たないので、
奥出雲町の棚田撮影の時には長く露光して撮影したことを憶えている。
奥出雲町では約1万本のライトを使用しているようだが、
そのうちの三千本を借りて大井谷の棚田に設置しているらしい。
設置するのにかなり時間がかかっただろうと思ったが、
実は予想外にもボランティアが多く集まったと関係者の人が言っていた。



今日は生憎の曇空なのでトワイライトの夕暮れ空は期待出来そうにない。
太陽はどの辺にいるかわからないが既に山に隠れていることには間違いない。
17時00分頃から辺りは徐々に暗くなり、
棚田をよく見ると1つ、また1つとライトがオレンジ色に点灯し始めた。
それはまるで暗くなると灯りを放つ蛍のように見えた。
17時30分になると全体的にライトが点灯して、まさにオレンジ色のイルミネーションの棚田が完成した。
予想通りあまり灯りは目立たないので空が暗くなる前に30秒から1分くらいかけて露光して撮影。
結局、撮影場所を二ヵ所に絞って段階的にシャッタースピードを調整してシャッターを切る。
時に道路を走る車が光跡となって良いアクセントになってくれると良いのだが、
果たしてどういう絵に仕上がっているかは現像が上がって来てからのお楽しみということで、
18時15分に撮影を切り上げた。



この輪が広がって島根県各地の棚田でも灯かりイベントが行われば地域活性化にもなって盛り上がるに違いない。
ただ大井谷もそうだが、棚田の集落は狭いので大勢の人を集客出来ないのが難点だが、
今日灯った灯かりは来年もまた輝いて欲しいと願いたい。



写真館 二千年一夜