七類地区じげおこし花火大会〜島根県美保関町

灰示花火のカレンダーを見て今年は絶対見てみたいと思っていた七類の花火大会。
ところが台風10号の影響で16日に延期。
元々16日はオフ日にしていたので予定に影響は無かったが、
14日から15日にかけてたくさんの花火大会が中止、延期になった。


※花火打上はLから。フェリーを前景にJから狙う予定だったがフェリー来ず、
 仕方なくKから撮影。





台風が29年ぶりに広島へ上陸したわりには思ったほどの影響は無く安堵したが、
翌朝から風が強く本当に花火が上がるのか午後の開催決定を待つ。
海上保安のHPを見ると風速8mほどあるらしいが、
開催決定の情報を得て14時30分に七類に向けて出発した。
朝は強いと思っていた風も午後になると少し落ち着いた様子で安心したが、
今日の会場は日本海沿岸なので、
過去に強風で打ち上げ直前に中止になった悪夢が脳裏を過る。

尾道から美保関まで約180キロの道のりを、
やまなみ海道とだんだん道路の恩恵を受けて3時間くらで着くのだから、
車と信号の無い走りやすさがわかる。
木次インターを降りてから松江までの道のりを、
国道を走らずに県道24号線を走ってみたが、
走りやすい道なのでこちらを走って松江へ行くのも悪く無いと、2日前に八雲へ行く時に思った。



17時30分、七類港に到着。
風は多少あるが思ったほどの強さではなく安心した。
既に堤防には花火が準備されていたが、
露店も見当たらなければ本部のテントなど祭りの雰囲気はまったく無くて、
本当に今日は花火が上がるのか不安になってきた。
今日は撮影する場所を決めているが、
せっかくなので雰囲気を楽しもうと七類地区の沿岸を軽く走って現地調査。
地区の半島に小さな祠が祀られており、
詳細はわからないが何か歴史があるのかもしれない。
波の音が心地良く西日が岩礁を照らし波は輝いていた。



時間があるしせっかくなのでお隣の片江漁港へ行ってみる。
実は片江でも15日に花火が上がり、
台風の影響で七類と同時刻に花火が上がる。
数キロ先なので時間をずらしてもらえば両方見れただけに残念。
こちらは最大4号玉が上がり至近距離で迫力の花火が見れそうだった。







片江と七類の間にある笹子海岸と惣津海岸にも寄ってみた。
県道が新たに出来たことで旧道を走らなければ見ることの出来ない山陰海岸。
お蔭で撮影はしやすいが気付かずに通過する人が多いと思うとちょっと勿体ない。
春に来た時は凄い綺麗な海だと思ったが、
さすがに荒波と夕方だと海の青さは見られなかった。



再び七類に戻ると顔見知りの花火師さんがいたので少し談笑。
花火の拘りや地元の極秘情報などいろいろ教えてもらい楽しい時間を過ごさせてもらった。
気付けば19時をまわり辺りも薄暗くなってきたのでそろそろフェリーターミナルへ向かおうと思ったが、
肝心のフェリーの姿が見えない。
もしかして台風で運休!?
だとしても七類へ停泊しているはず。
何と台風の影響で18時25分着のはずが、今日は臨時運行で20時50分になっていた。
出発前に時刻表を確認しておくべきだった。
それなら七類で撮る意味が無いので、
片江へ行こうかと思ったが、七類でちょっと凄いことをすると花火師さんが言ってたのでそのまま留まることにした。

七類に着いた時に軽く沿岸を調査していたお蔭で薄暗い中でも構図はイメージ出来た。
漁港町らしさを出すために漁火漁船を前景に入れるのも悪く無いが、
強い風が沖に向かって吹いていたので西側から狙うことにした。
花火客らしき人は殆ど見かけなかったが、
打ち上げ15分前くらいになると徐々に人の姿を見かけるようになった。
話によるとお祭り自体は既に15日にあったみたいで、
今日は15日に上げる予定だった花火をただ上げるだけの日らしい。
花火の規模が規模なので警備員も地元の人が数名いるだけで、
本当にのんびりした雰囲気だった。



20時00分、花火を知らせる雷が七類港に響いた。
遠くから花火の音が聴こえてくるのは片江漁港から。
4号玉が上がっているのでよく響く。
まもなく七類でも花火が打ち上がった。
こちらは3号玉の単発と小型煙火がメイン。
小さな漁港の湾から撮影しているので波の影響が無い分、
小型煙火が上がると海が花火で染まるのが綺麗で距離も近いので迫力がある。
そして最後は花火師拘りのスターマインで幕を閉じた。
決して派手な演出でも無ければ特別凄い内容でも無いが、
地元の人は年に一度の花火大会を楽しみにしており、
終わった後の人達を見ると満足しているように見えた。
来年で30周年ということにも驚いたが、
山陰ではこのような小規模の花火大会がたくさんあり、
情報化社会の時代でもまだまだ知らないことだらけだと感じた。

20時20分、当然のことながら渋滞とは無縁の花火大会。
結局、フェリーの姿を見ることなく七類を後にした。
また来年かな。
ちなみに花火大会の名称である「じげおこし」の「じげ」とは、
地域、地元という意味らしい。







写真館 二千年一夜