安浦ゆめ花火大会〜広島県安浦町

2月第一土曜日は毎年恒例の恩原高原氷紋まつりが行われ、
毎年楽しみにしている花火大会の1つであるが、
何と同日、安浦で花火が上がる情報が入って来た。
調べてみると本来11月に開催される予定だった安浦新ええとこ祭りが昨年中止になったので、
その代替えイベントとしてまた地元花火業者である牛尾煙火の協力もあって花火大会が実現されたようだ。
恩原を蹴って安浦を選んだのは、
安浦へ行くことでほんの僅かでも復興の力になればという思いがあったのかどうかはわからないが、
SNSで発信することで1人でも多くの人が安浦のことを知る切っ掛けになればと思う。


※大芝島から見る三津口湾に浮かぶ牡蠣イカダ群
 台船から約3キロ。



安浦に着いたのは16時頃だっただろうか。
三津口湾にはまだ台船が停泊しておらず港で準備中。
台船を見ると10号玉筒が5本もあったので驚いた。
約1130発の打ち上げという情報しかわからなかったので、
特に大きな花火は上がらないだろうと思っていたがまさか大玉が上がるとは思わなかった。
町内に臨時駐車場が用意されておりシャトルバスで会場へ移動。
会場では牡蠣の無料配布が始まっており、大勢の人で賑わっていた。
それにしてもこのイベント。
駐車場、シャトルバス、牡蛎すべてにおいて無料とかなり大盤振る舞いで、
本当に被災した街なのか!?と疑ってしまいたくなるが、
会場内にある空き地には被災地から持って帰った瓦礫や土砂、家電などが山積みにされていた。


※戦時中に製造されたコンクリート船。現在は堤防として安浦の街を守っている。

しばらくすると呉市のマスコットキャラクターである呉氏が登場し、
あっという間に子供達に囲まれ、予想外に人気であった。
動画ではよく見ていたが、実際にまじかで見ると意外とカワイイ(笑)
被災した人達にとって花火大会に否定する意見もあったと思うが、
子供達や家族の笑顔を見ていると、
やはりこういうイベントの必要性を感じられる。
花火は切っ掛けに過ぎないが復興の兆しだと思えば未来は明るくなるはず。

台船は17時に出港して定位置にアンカーを降ろした。
当初イメージしていた漁港と絡ませる構図は崩れ、
前景に何か入らないかと会場内をウロウロしたが結局、これという場所は見つからなかった。
海岸沿いの国道が良さそうだが、
歩道が無くリスクが高すぎて断念。
遠く離れた場所であれば牡蠣イカダ群を前景に入れることも出来るが、
個人的に遠花火は好きではなく、出来れば会場内から撮りたいという気持ちがあったので、
今回は前景無しで会場内から狙うことにした。





18時30分、復興の希望を込めて花火が打ち上がる。
今の時期だけに空気が冷たく乾燥しているので花火が綺麗に見える。
冬花火は打上数が多くても意外と短時間で終わることが多いが、
さすが牛尾煙火の演出だけあって少ない玉数であろうが20分も楽しませてくれた。
風が吹いて煙が掃けるのは嬉しいが体感温度はかなり寒く、
早めの始まりなので防寒対策は最低限並しかして来なかったが完全に油断していた。
最後は主催者からのメッセージ花火として嵐の曲に乗せて7号玉と10号玉が披露された。
今回のイベントは今後も継続されるか、もしくは例年通りに戻るかわからないが、
花火大会は今後も恒例になればと思う。



帰りはシャトルバスも混んでいると思い歩いて駐車場まで戻る。
そもそも歩いて15分程なのでシャトルバスを利用するほど遠い訳ではないが、
お蔭で駐車場も道路も渋滞しておらずスムーズに帰ることが出来た。
早めに始まり早めに終わる。
まさに冬花火の醍醐味だ。




写真館 二千年一夜