やつしろ全国花火競技大会〜熊本県八代市

数日前の天気予報から今年は絶望的だと思っていたが、
開催が近づくにつれて雨が降るのか降らないのか、
まさに雨と曇りの予報が一進一退でやきもきさせられた。
雨なら断念して代替え案も考えていたが、
前日の金曜日の夜になって雨のち曇りの予報から雨が降る心配は無さそうなので出発を決めた。

出発は去年と同じく7時頃だったが朝食の調達やガソリンの補充をしているうちに、
福山西ICに入ったのは7時30分とちょっと遅くなってしまった。
三原を過ぎた辺りから雨が降り出し、時に猛烈な雨に見舞われたが、
山口県内に入ると少し安定してきた。
順調に高速道路を走っていたが2ヵ所の事故渋滞にはまり、
13時に着く予定が14時00分頃と遅い到着となった。
遅くなっても駐車場は大丈夫だろうと去年止めた県庁舎へ向かうと、
何だか妙に車が多く止まっており、
庁舎の向かいにある第二駐車場に何とか止めることが出来た。
数分後には満車の看板が立ち、一歩遅かった人達は今回新設されたトライアルへと回されていた。
どうやら学校の駐車場が雨で使用出来ず、
近場の駐車場も今年から予約専用になったので、
県庁舎は比較的近い部類になり、去年より2時間早く満車となってしまったようだ。







県庁舎から歩いて30分ほどでメイン会場の反対側、所謂、裏へやって来た。
去年より1時間遅かったこともあるが、
今年は早くから一般客による場所取りが多く見かけ、
意外と北側に多く集中していたのは早く帰れるからだろうか。
確かに南へ行けば行くほど駐車場やシャトルバスから離れ、
露店や飲食店、メイン会場も遠ざかっていく。
この調子だと最前列はほぼ埋まっているのか!?と思ったが、
南へ行けば行くほど少し落ち着いていた。
正面エリアはさすがにカメラマンの三脚で入る隙間無いが、
少し外れた上流、下流の一般客らしき人の後ろから撮影は出来そうなので、
去年は上流側から狙ったので今年は下流側から狙おうとウロウロしていたら、
顔見知りの写友さんが居たのでお邪魔させてもらった。
角度はちょっと付くが川がよく見えて構図的には悪く無い。
空が夕焼けに染まれば上流側から狙いたいが、
その可能性は低そうなので今年は下流側から狙うことにした。


※最前列はほぼ埋まっているが今年は観覧客が多かった

場所も決まり遅めの昼食を取りに今年も近くのうどん屋へ長丁場に備えてしっかり腹ごしらえ。
その後、長距離運転の疲れとこれからの体力温存のためしばし裏会場でのんびり散策しながら時間を過ごした。
場所を取っている人達を見ると、
カメラマンも多いが一般客の人達も意外と良い場所を確保しており、
地元の人なのかコンロを持参して鍋や焼き肉をしている人も見かけた。
その後ろから撮影出来そうであるが、
さらにその後ろで早くから場所取りしている人とのトラブルが懸念されるため、
やはり正面に近いエリアで撮ろうと思えば前日入りするくらいの気合が必要だ。
雨のち曇りの予報だったが西の空は徐々に晴れ間が広がり、
いつしか綺麗な夕暮れ空になろうとしていた。
これなら上流側からも心残りがあったが、
今年は珍しく風が上流側に流れていたので下流側を選んだのは運が良かったかもしれない。


※今年は正面から少し下流側で狙う。なるべく川が見える場所で撮影したい





プログラムを見ると今年は16都県30業者が参加。
先日見た「にし阿波」に比べると参加業者も多く、
何と言っても九州業者の競技玉が見られるのが八代の魅力であり嬉しくもあり親しみがある。
すっかり恒例になっている青木煙火店のミュージック花火も、
内心、他社で持ち回りでも良いのでは?と思いながらも、
今年はどんな音楽に乗せて凄い演出をしてくれるのか楽しみである。
そんな想像をプログラムを見ながらしていると時間はあっという間に18時になろうとしていた。


※雨のち曇りの予報が奇跡的に晴れに変わった

競技大会に先駆けて主催者の挨拶の後にオープニングスターマインを披露。
数年前からナイアガラから250mワイドスターマインになり豪華なオープニングになっており、
今年は2019年の代表曲でもある「パプリカ」に合わせて花火が打ち上げられた。
去年は広角レンズを付けて横構図で撮った結果、あまり良い結果が残せなかったので、
今回は縦構図ですっきり収まる構図でシャッターを切った。
オープニングから豪華な内容であるが、煙の存在をあまり感じさせないのは川の上流へ流れているようで、
体感的にはあまり風を感じないが、上空は予報通り4m以上の強風が吹いていることが、
製紙工場の煙突から出る煙を見てわかる。

競技大会の参加メンバーは去年と同じく30社で九州業者も10号玉の部に参戦。
個人的には、多くの愛好家がスターマインも全国参加を熱望しているはずだが、
さすがに時間と予算の関係上、それは未だ実現されていない。
今年は観覧予定だった姶良や一ツ瀬が台風で中止となったので、
なかなか九州業者の花火を見ることが出来なかったが、
生島煙火や六葉煙火など色にこだわりを持った素晴らしい演出を堪能させてもらった。
唯一残念だったのが花火に合わせて上がる音楽がちょっと予想していたのと違っていたので、
自分の中で少し盛り上がりに欠けてしまった。


※正面エリアは相変わらず激戦区となっている。

去年は上流側から狙っていたので撮影するにあたって距離は十分余裕があったが、
下流側は筒場から近いのか10号玉が妙に大きく高く上がったように感じられる。
撮影している時に思ったが28mmいっぱいにしても川を入れるとフレームアウトしてしまいそうで、
動画用のデジカメがフレームアウトしているのを見て、やはり広角レンズを付ければ良かったかもしれない。
競技大会ということで多重芯物が多かったが、
創造玉も好きなので評価はされにくいかもしれないがどんどん挑戦してほしい。
にし阿波の時も披露された三遠煙火の「いないいないばあ」は、
10号玉でも披露したが顔がこっちに向いてくれなかったのが悔しい。
5号玉は距離が近い分、迫力があって普段見ることの出来ない創造作品にうっとりさせられた。

ミュージック花火は今年から13基の櫓を設置してさらに迫力のある演出が用意されていた。
裏からだとその迫力が伝わらないが、
きっと有料席からだとかなり凄いことになっているのだろう。
約7分間という全国でも類を見ない長いミュージック花火は八代ならではで、
しかも青木煙火店が担当するのだから凄い以上の言葉が見つからない。
今年は映画「ロケットマン」から3曲ピックアップして強弱のある演出だったように見える。
個人的には5分くらいでも良いから1曲に絞ってストーリー性のある演出が好みで、
そう思うと去年のグレイテスト・ショーマンはかなり見応えがあった。
先日のにし阿波では野村花火や齊木煙火などかなり見応えのあるミュージック花火を見ているので、
正直、八代のミュージック花火はそろそろ良いかな、と思ったりもしたが、
実際に見てみると比べものにならない、いやまったくの別物と捉えて見なければいけなかった。
今回も構図を決めてファインダーは見ずにタイミングを合わせてシャッターを切る作戦だったが、
大玉と下打ちの撮影するタイミングが相変わらず難しくて、
気付けば7分間の演出はあっという間に終わってしまった。
数年前までは暗い音楽と暗い玉の演出が八代のミュージック花火というイメージだったが、
ここ最近は比較的明るい玉を入れているように見えた。


※18時過ぎから始まるのでトワイライト花火が狙える

18時過ぎから始まった競技大会はあっという間にフィナーレを迎え、
最後は今年も恒例の7号玉、10号玉を含む特大スターマインで幕を閉じた。
今年は暑くも寒くも無く風も上流へ流れ最高の条件が整っていた。
それだけに撮影結果は思わしく無かったらショックが大きいが、
それ以上に感動の花火が見れただけでも来れて良かった。
帰りは近くのうどん屋で疲れを癒し、
駐車場に戻って渋滞が解消するまで仮眠。
22時30分になるとさすがに市街地の渋滞は解消されていたが、
八代インターチェンジ付近はまだ渋滞が残っていた。





写真館 二千年一夜