大堂海岸、柏島〜高知県大月町

ホテルの騒音が大きくてあまり寝付けず気付けば朝を迎えていた。
窓から外を覗いてみると朝焼けが見えたが上空はどんよりとした雲が広がっていた。
今日の天気予報は晴れ後曇。
これでも週間天気予報は雨マークが付いていたことを思えばよく晴れマークが付いてくれた。
さてこの雲が晴れて青空が広がってくれれば良いのだが・・・
そう思いながら朝ごはんを済ませて8時30分に出発。





まず最初に向かったのは大月町にある柏島。
最近は海の青さが人気で柏島ブルーと呼ばれているらしいが、
それより前に訪れた時の海の透明度の高さに感動した思い出のある場所。
今回は大堂海岸の展望所から撮影したい場所があったので、
それ目当てで2006年以来、14年振りの訪問となった。
観音岩に近い駐車場に着いたのは10時頃で期待していた空は生憎の曇空。
ただ所々青空も見えるのでこのまま雲が掃けることを期待しながら撮影ポイントへ向かう。
途中、観音岩が出迎えてくれるが、確か前回もここまで来たところで夏の暑さに引き返したのだろう。
この先にある絶景に出会わず帰ることになろうとは・・・
遊歩道はアップダウンが激しいが綺麗に整備されており、
また大堂海岸の断崖絶壁や太平洋を横目に歩くのでさほど苦にならない。

10時15分、お万の滝(ここでは滝のことを険しい岩と表現している)を過ぎた辺りにある大堂海岸の西側と柏島を俯瞰出来る展望スペースに到着。
想像していた以上に迫力のある景色でまるで竜の背中を見ているような大堂海岸の尾根が素晴らしい。
青空は見えなかったが日差しが所々当たっていたのでシャッターを切る。
風が強いせいか時間が経つにつれて雲の動きは変化していき、
少し粘れば青空が広がる可能性が出て来た。
曇っていても岩肌に日差しが当たってこれはこれで絵になるが、やはり青空が無ければ海は青くならないので、
どうしても青空が広がることに期待していた。
その願いが通じたのか15分後の10時30分に雲が風で流されて青空が広がって来た。
青空と日差しで柏島の海がより一層青色となり、まさにこれぞ柏島ブルーを見せてくれた。


※僅か15分で劇的に青空が広がる

撮影場所は広くないので三脚は殆ど固定。
その代わり、角度を変えればまったく違う景色が楽しめるのでシャッター音が鳴り止まない。
ようやく青空が広がり目の前には素晴らしい景色が広がっていたが、
フィルムにも限りがあるのでここで少し冷静となり同じような写真を量産しても仕方ないので、
名残惜しいがある程度撮影して切り上げる。
遊歩道はまだ先まで続いているが先の展望台へは車でも行けるし、
時間も無いので来た道を戻る。
その途中にある観音岩を撮影。
時間帯的に逆光であるが海に照り付ける中での観音岩が妙に印象的で、
前回撮影しなかった心残りもあったので今回は撮れて良かった。
ちなみにこの観音岩、細い岩だと思っていたが、
実は平べったい形をしており、少し上がった違う角度から見ると観音岩の跡かたも無い。



11時30分、ちょうどお昼時で混雑する前に昼食を済ませておく。
海の見えるお店で柏島の海で養殖された鯛の刺身を美味しく頂いた。
その後、散策がてら海岸沿いをブラブラして柏島の海を堪能。
海は綺麗だったが時期なのか時間帯なのか白浜海岸にも養殖のゴミが目立ち前回のような感動は無く、
今回は特に撮影はしなかった。
13時30分、柏島を俯瞰出来る一切展望所に寄ってみたが、
既に青空から曇空となり柏島ブルーの姿も消えていた。




※一切展望所に来た時はもう曇空






高茂岬〜愛媛県西海町

柏島から高茂岬に向かって来た道を戻る。
御荘地区から県道34号線を道なりに行くと高茂岬に着くが、
その途中にある西海地区の景色が妙に懐かしいと思ったのは以前花火を撮りに来た場所だった。
合併して愛南町となり、どこかで花火を撮りに来たはずだったけどどこだったかなぁ、と思っていたがこれですっきりした。
15時00分、駐車場に到着。
西海地区を過ぎてからアップダウンの道が多かったので思った以上に時間がかかった。
水平線上は明るかったが上空は厚い雲で覆われ、
せめて雲と雲の隙間があれば光芒が出るのに、
そんな奇跡を待ちながら構図を探す。



天気が悪いのか場所が微妙なのか訪れる人は疎らで混雑は無い。
晴れていれば絶景だったに違いないが、
もし朝に来ていればまた感じ方が変わっていただろうか。
結局、青空も無ければ光芒も出ず落陽を待たずして諦めた。



今日の宿は高茂岬へ行く道中にもあったが、
国道56号線から県道34号線に分岐する側にあり、
昨日泊まった一本松地区に比べるとチェーン店や飲食店が目立ち賑やかである。
お風呂に入った後に近くにある飲食店で夕食。
今夜も美味しいお刺身とビールで心地良い夜を過ごさせてもらった。
ちなみに今日の宿は防音設備がしっかりしており、
殆ど外からの音が聴こえずお蔭でぐっすり朝まで寝ることが出来た。





写真館 二千年一夜