定福寺〜高知県大豊町

去年、結婚10周年を記念して祖谷の旅を計画していたが、
他の予定が入ったため敢え無く断念。
それが頭の隅で気になりつつ1年が経ったある日、
思わぬところで祖谷の旅が再浮上した。
SNSやブログなど過去の紅葉見頃を割り出し11月第2週末に設定。
例年だと紅葉は見頃のはずだが、今年は1週間ほど早く色付いたため祖谷の紅葉は終盤を迎えようとしていた。





出発数日前に偶然見つけた高知県大豊町にある定福寺の紅葉が見頃を迎えている記事を見つけ、
当初、井川池田ICから祖谷に向かう予定だったが、
急遽、足を延ばして大豊経由で祖谷入りすることにした。
7時頃に家を出発し2時間ほど高速道路を走って大豊入り。
国道439号線を東に向かって走って行くと定福寺の案内板があるので迷うことなく10時前くらいに辿り着くことが出来た。
新聞の記事に掲載されたことで朝から混雑を予想したが、
着いた時は駐車スペースに余裕があったものの、15台くらいしか止められないのであっという間に満車になった。



紅葉に日差しが当たっているかどうかは行ってみないとわからないが、
定福寺は北側の山の麓にあるので朝の日差しが境内の紅葉に当たりとても綺麗だった。
周りの高い山に囲まれた場所なので、
もし午後に訪れていれば条件は大きく変わっていたかもしれない。
早速撮影開始と行きたいところだが、境内はさほど広くないので撮影出来そうな場所は限られ、
その中で構図を決めてシャッターを切っていく。
幸い三脚使用などの規制も無いので周りの状況に配慮しながら撮影は進み、
駐車場も広くないので境内に訪れる人も混雑は無く撮影はしやすかった。
紅葉の名所としては少し物足りなさがあるが、
それでも見事に色付いた紅葉にしばし疲れを忘れて見惚れていた。



大豊町にはもう1ヵ所、紅葉の名所である奥大田渓谷があるが、
ここは道がかなり狭いのとピークが過ぎている可能性があるので今回は断念した。


とびの巣峡〜徳島県山城町

大豊町から国道32号線沿いの大歩危小歩危を横目に北上。
県道271号線から約10キロほど奥へ入って行くととびの巣峡がある。
11時40分、とびの巣峡に着くものの時間をかけて来た割には思ったほどの感動は無く拍子抜け。
道路沿いから見下ろせば迫力のある渓谷美が楽しめそうだが撮影には向いていない。
せっかく来たので何とか撮れないものかと構図を練りながら散策。
下に降りれる階段があったので下ってみると遊歩道らしきものは無いが、
一応、渓谷に少しだけ触れられる場所があった。
渓谷全体に日差しが当たってタイミング的には今が良さそうだが、
紅葉の色付きも少なく紅葉の名所として広まって無い理由が何となくわかった。



とびの巣峡へ行く途中、小歩危を展望できる案内板があったので寄ってみた。
狭い山道をしばらく上がっていくと小歩危を俯瞰出来る場所が確かにあった。
これはかなり迫力があってこのような場所があるとは知らなかったので、
もしかしたら隠れた名所かもしれない。
あまり世間に知れ渡り頻繁に人が訪れた所で車を止めるスペースも無ければ、
途中、対向車が来れば一溜まりも無いのでこのまま隠れた名所であった方が良さそうだ。
タイミングよく土讃線を走る観光列車が大歩危駅に向かっていた。
その観光列車の上りを撮影するために急いで次の場所へ向かった。







四国まんなか千年物語〜徳島県山城町

13時を過ぎた辺りで大歩危に戻って来た。
道路沿いに車を止めることも出来るが、
近くにショッピングモールが出来ており広い駐車場が新設されていたので昼ご飯を兼ねてそこへ止める。
土讃線を撮るなら大歩危小歩危を絡ませて撮りたいところだが、
この辺だとどうしても第二吉野川橋梁の呪縛からは逃れられない。
透き通る川の渓谷に架かる鉄橋が見事に絵になり、その周辺の山が紅葉で色付いていれば言うことは無いのだが、
パンフレットに載っているような紅葉とは程遠かった。
トンネルの外にある歩道からが定番で既に先客のカメラマンもいたが、
さらに橋梁寄りの方が好みであり、カメラマンもいないのでそこから狙う。
時刻表を見ると生活の足として利用されるワンマン車は数時間に1本しか便数が無いが、
特急は1時間に1本の割合で来るので往復を考えれば1時間に2回のシャッターチャンスがある。
観光列車が来るまで何本か通りそうなので、いろんな構図で撮影。



14時21分大歩危発の観光列車は景色を楽しんでいるかのようにゆっくり走り橋梁を渡っていった。
赤、白、緑の3色による綺麗な列車で何かしらイメージして作られているのだろう。
ちなみに観光列車の存在は前日まで知らなくて、
たまたま土讃線を調べていると観光列車の存在を知った。
なので土讃線撮影は当初の予定では入っておらず、
これが後に大きく予定を狂うことになった。

車を止めた場所は渓谷を降りる有料の遊歩道などもあり、
時間があれば散策してみたかったが、
今回は駐車場から西日が当たる渓谷のみ撮影。
西日が当たるとやはり紅葉はより一層色が濃くなって美しい。
15時になると大歩危は日が広範囲に当たらなくなるのでやはり14時台までが良さそうだが、
小歩危は西の空が開けているのでもう少し撮影が楽しめるかもしれない。


※既に陰っている竜ヶ岳。出合地区から約10キロの険しい山道。

祖谷の紅葉で有名なのが県道149号線沿いにある竜ヶ岳。
落日に映える錦絵は懸崖を一層ひきたてる。とのことなので期待して行ってみたが、
さすがに15時45分に着いた時は既に日差しが当たらず陰ってただ寒いだけの景色だった。
ちょうど今が見頃のようだったので午後の日差しが当たっていればさぞかし綺麗だったに違いない。
出合地区から険しい山道を10キロほどかけての道のりなので、
さすがに明日また来ようという時間も元気は無く、今回は敢え無く撮影は断念。

出合地区まで戻り祖谷渓を走ってみたがやはり殆どが日陰になっている。
明日の撮影に備えて今日は現地調査のみで渓谷美の県道を走った。
最終目的地でもあったかずら橋に着いたのは17時を過ぎた頃で、
渡る予定は無かったが止めた駐車場のおじさんが今ならまだ間に合う!と親切に教えてくれた。
実はライトアップの撮影をしたかったのだが、
日が暮れてもライトは点灯せず、もしかして今はライトアップをしていないのかと思ったが、
どうやら点灯するのは19時頃のようでかなり遅い。
結局、薄暗い中で点灯しないかずら橋を撮影して今日の撮影を終える。
明日の朝にもう一度訪れようかと思ったが、
既にかずら橋の周辺は落葉していたので止めた。





今日の宿はかずら橋から車で数分ほどの所にある祖谷渓温泉ホテル秘境の湯。
普段は絶対利用しないであろうホテルであるが、
観光支援事業の恩恵を受けて今回は高めのホテルを敢えて選んでみたが、
こんなことが無い限り、まず利用しないだろう(笑)
予定より早くチェックイン出来たお蔭でのんびり温泉に入って、
徳島県産の食材を使った料理を堪能、未だかつてない贅沢な一夜となった。







写真館 二千年一夜