木次線〜島根県横田町

先日の28日に訪れた時は、場所によっては綺麗な着雪に染まる山々が見えたが、
肝心のスイッチバックや損露沿いにまったく雪が無かった。
大晦日寒波で三井野原はそこそこ雪が積もっている様子をライブカメラで確認し、
翌朝の気温の低さから期待出来ると新年早々、木次線撮影に出掛けた。
5時に出発していつものルートで2時間くらいで三井野原に到着。
今年は本当に暖冬だと思わされるのは、
大晦日寒波と言えど、高速道路は冬用タイヤ規制もされておらず、
油木駅まで雪の欠片は殆ど見当たらない。
去年は庄原市内でも雪が積もったが、
今シーズンは未だ県境の山間部以外は雪らしい雪は降っていないのではなかろうか。
今日も油木駅辺りから家の屋根が薄らと雪化粧している程度。
その後、先に進めば進むほど雪景色が広がっていくのだが、
28日に比べると唐松ポイントに雪が少なく何か物足りなさを感じる。
それは三井野原でも同じでやはり前回に比べると雪が少なくて唖然とした。
大晦日寒波は一体どうなったのだろうか!?


※唐松ポイントは思った以上に着雪が無い


スイッチバックポイントも期待出来ないので、
今日はそのままトンボ返りしようかさえ思ったが、
せっかく来たのでどこかそれらしき場所を見つけて構図を練る。
幸い始発が通過するまで1時間以上あるので探せばどこか見つかるだろう。
行きは少なかったが、その日の風向きに影響するのかおろちループ付近に雪が残っており、
木々が霜で白く染まっている場所を見つけた。
しかも道路を挟んで撮れるので、
車で無理な追いかけをする必要も無く、
1つの場所で二度美味しい、便数の少ない木次線にとっては何ともありがたい場所である。
何度も訪れているのにこの場所に気付かなかったのが悔やまれるが、
今後この場所で春の新緑、秋の紅葉に狙ってみたい。


※新平家橋より道路を挟んで二ヵ所から狙う。
 オロチを思わせる大カーブが凄い

太陽が顔を出せば雪が白く輝いて綺麗なのだが、
上空には雲がかかっており太陽はなかなか顔を出してくれそうにない。
せっかくなので初日の出を拝みたいところだが、
とてもじゃないが初日の出と呼ばれるような日の出ではなかった。
8時23分発の出雲坂根駅を出発したキハが時間を掛けてゆっくりと上がって来る。
次の三井野原駅まで約20分かけて移動するのだから、
いかにゆっくり時間をかけて走っており、それだけ難所ということがわかる。
理想を言えばもっと真っ白な世界を走る姿を描いていたが、
始発は珍しく赤色のディーゼル、通称:タラコ色を走らせてくれた。
これは新年ということでJRからのお年玉のように思えた。


※新三国橋より道路を挟んで二ヵ所から狙える。
 新平家橋から見えない三井野大橋が赤く見える

さて備後落合からの帰り便をどこで狙おうと検討しなければならないのだが、
これと言う場所も無いのでそのまま帰ろうかとも思ったが、
もし太陽が出て日差しが当たれば景色はガラリと変わるはずなので、
そのまま待機して同じ場所で狙うことにした。
太陽が出ないと気温も上がらず、お蔭で雪は解けず景色が冷凍保存状態で保ってくれていた。
帰り便が来るまで約1時間、特にすることが無いので道の駅へ行ってみるが、
元旦は休みで休憩所しか開いていない。
道の駅なのに誰も訪れる人もいなければ国道を走る車もおらず、
何とも静かな場所である。
そんな区間を走る木次線なのでいつ廃線になってもおかしくない。


※三井野大橋より、今日は思ったほど着雪が少ない

9時46分発の三井野原駅に合わせて撮影ポイントに戻り撮影態勢に臨む。
同じ場所で同じ撮影をしても面白くないので、
今回は広角レンズを使って白い景色をダイナミックに入れる構図で狙ってみた。
日差しは結局出なかったのでどういう結果になっているかわからないが、
冬の木次線らしさが出ていればと思う。





写真館 二千年一夜