備中国分寺の赤米〜岡山県清音村

今年の撮影目標の1つに備中国分寺の夕景が入っているのだが、
夏の向日葵を撮るタイミングを逃し、今度は秋のコスモスかな〜と思っていた時、
赤米が綺麗に実っている情報が入って来た。
例年だと赤米フェスタなる音楽イベントが行われているが、
今年は例の如くオンライン開催となり現地でのイベントは中止となっている。
天気予報を見ると午後から青空が広がりそうだったので今日はまさに絶好のチャンス到来だった。





14時30分過ぎに家を出ようとした時は上空に厚い雲が広がっていたが天気予報を信じて出発。
国道2号線を東へ走り玉島ICの所で県道を北上して国道486号線に合流して高梁川を渡り清音に入る。
県道270号線をさらに東へ道なりに走って行くと備中国分寺に辿り着く。
16時40分、現地に着くと駐車場はほぼ満車状態で赤米畑には大勢のカメラマンがスタンバイしていた。
正直、カメラマンは多いと思っていたがまさかこれほどまでとは想定外。
どうやら昨日、新聞に記事が載ったのが原因だろうけど、
カメラマン人口の多い岡山県だっただけに完全に油断していた。
ただ現地調査をしていると何故か東面にカメラマンが集中しており、
何故か西面は殆どおらず、個人的にはビニールハウスが入る西面がお気に入りだったので不幸中の幸いだった。
とりあえずまだシャッターチャンスまで時間があるので軽く現地を散策して構図探し。


※西側よりビニールハウスをアクセントに。

五重塔と夕日が沈む角度、赤米を入れる場所は限られているので構図は自ずと決まってしまう。
後はどのタイミングでシャッターを切るがポイントとなる。
太陽が傾き西日が当たると今までさほど赤いと思わなかった赤米がより一層赤く染まるのだから不思議だ。
これにPLフィルターをかましてファインダーを覗くと感動も大きくなる。
ただ今日は観光客がひっきりなしにやってくるので無人での風景は断念して、
広角レンズでなるべく観光客を目立たなくさせて広範囲で構図を練ってみた。
上空に浮かぶ空も徐々に散らばって秋らしくなってきて、
今日はまさにオールスターで役者はすべて揃った。


※何故か東側にカメラマンが集中。


※左側:西側の畑、ビニールハウスをアクセント、人の映り込みも少な目。
※右側:東側の畑、広範囲に赤米が入る構図。人の入り込みが多い。

オレンジ色のコスモスを入れて撮ってみても面白かったかもしれないが、
そのポイントは多くのカメラマンで立ち入る隙間も無く、
元々今日はフィルム1本しか持って来て無かったので無駄な弾を打つのは止めておく。
最初はPLフィルターを使って撮影していたが、
徐々に太陽が傾くと赤米が暗くなっていくので、
途中からハーフNDに付け替えて撮影。
同じ場所で撮影するのは勿体無いと思い、少し前に移動して五重塔に近づくと観光客を入れずして撮影することが出来た。
太陽は最後まで雲に隠れず山に隠れたところで撮影は終了。


※夕方になると赤米が一気に赤く染まる。

今回の撮影で1つ分かったことは、
赤米は朝日や夕日を浴びてこそ赤みを発揮するのでトップ光や曇天は不向きだということ。
18時を回ってさすがに日差しが当たらなければ赤米かどうかもわからない状況だが、
カメラマンの動きは無い所を見ると五重塔のライトアップでも狙おうとしているのだろうか。
例年だと赤米フェスタで赤米畑もライトアップするらしいが、
今日はライトの機材も見当たらなかったしイベント自体も現地で行われないのなら五重塔すらライトアップはしないと思うのだが、
どちらにしても持ち弾をすべて使い果たしたので18時10分に撤収。
この空でライトアップすれば確かに綺麗だろうな、と思いながらも、
暮れなずむ空の下、心地良い風に当たりながら吉備路を後にした。


※五重塔に近づけば辛うじて夕日と一緒に撮れる




写真館 二千年一夜