美山かやぶきの里 雪灯籠〜京都府美山町

この日は恩原高原の花火撮影を予定していたが、
暖冬による雪不足でイベントが中止となり、
それならと以前から計画を立てていた美山かやぶきの里で行われる雪灯籠に行ってみることにした。
美山には2014年に一度訪れているが、
とにかく京都の山奥ということで凄く遠いイメージがあった。
実際どうやっていかに安く行けるかルートを模索していると、
姫路東ICから美山に続く山道が比較的楽に安く行けそうなので、
今回はそのルートで行ってみる。







6時30分、東の空が少し明るくなる朝に出発。
山間部は雪の予報なのでかなり冷え込んだ朝だと思ったが、
車の窓ガラスはさほど凍って無かった。
順調に山陽道を走って姫路東ICまで1時間50分かけて移動。
そこから国道372号を東に向かって走るが、
去年、西脇市までこのルートを走っているので見覚えがある道のりだった。
国道372号は途中、国道173号を左折するが基本的に南丹市まで続いており、県境の天引トンネルを抜けたところで県道54号を左折。
園部町内で国道477号を直進し、すぐさま県道19号をさらに直進。
10時15分、出発してから4時間足らずで園部インターに着いた。
遠いと思っていたが信号も車も少ない山道なので思ったよりも走りやすく時間がかかった感覚が無かった。
ちなみに高速道路で園部まで行くと3時間20分しかかからないが4500円かかり、
姫路東で降りると2300円かかることので差額は2200円。
それを考えるといかに姫路東で降りて下道で行く方が都合良いかがわかる。

※参考までに
・福山西から園部まで3時間15分(4500円)高速道路利用
・福山西から園部まで3時間45分(2300円)姫路東まで高速利用後下道。



園部を過ぎると美山の道路標識が出てくるので道に迷うことはまず無いだろう。
10時50分、出発してから4時間20分で美山の道の駅に到着。
約280キロの道のりを5時間くらいかかると予想していたが思った以上に早く着いた。
遅くなると駐車場難民になると早めに着きたかったが、
あまり早く着いてもすることが無いので道の駅で少し休憩をして、
11時20分に美山かやぶきの里に到着した。
さすがにこの時間帯は駐車場も閑散としており、
集落内も少し観光客が散策しているいつもの静かな風景。
例年だと積雪で覆われている光景が広がっているはずだが、
雪は山頂に少しだけ残っている程度でまったく雪は無かった。
昨夜の雪予報に少しは期待したが改めて今年の暖冬が物語っている。
まずは腹ごしらえに何か食べようと屋台ブースを覗いてみると、
まだ準備中だったが販売していたので唐揚げとおにぎりを購入。
その後、運動がてら集落内を散策して構図を練る。
事前にグーグルマップで目星は付けているが、
実際に歩いてこの眼で見ないとわからないこともあるので、
何か新しい発見は無いかと探してみたが、
これという発見は無かった。
そういえば前回訪れた時も電線や人工物の多さで幻滅したような気がする。
集落の裏山に俯瞰出来るポイントがあり、
大勢のカメラマンが集中するらしいが、この時点で場所取りしている人が数名いた程度だった。
最初からそこで撮る予定は無かったが、この場所が一番美山らしい写真が撮れるかもしれない。
花火業者もまだ来てないし特にすることも無くいので、帰りの体力温存のために車内に戻ってしばらく仮眠。







曇っていた上空も次第に晴れ渡りかやぶきの里にも日差しが当たるようになってきた。
車内で仮眠していても退屈なので15時過ぎに再び集落を散策。
駐車場もほぼ満車状態で観光バスもたくさん止まっており、
屋台も賑わって日本以外の観光客も大勢見受けられた。
カメラマンの姿も見かけるようになり、俯瞰ポイントも大勢のカメラマンが集中していた。
集落を散策しているとライトアップ用のライトが設置されているのだが、
そこで1つ問題なのがライトアップ用のライトがすべて道路側に設置されているということ。
花火はその道路と川を挟んだ所から上がるので、
撮影するなら山側から撮りたいのだが、ライトが当たっていなければ意味が無い。
過去の画像を見るとライトが当たっているようにも見えるが、
その年によってライトの設置場所や演出が違うのだろうか。
目星を付けていた場所もライトが無は無く、これというような外灯も無いので、
実際に暗くなると茅葺屋根なのかわからなくなってしまう。

その不安は的中した。
暗くなるにつれて茅葺屋根の区別が付かなくなってきた。
デジカメなら高感度設置にして撮影すれば良いがフィルムだとそうはいかない。
道路沿いの灯籠や外灯も点灯したが茅葺屋根を照らすには光量が弱すぎる。
さてどうしたものか・・・
このままダメ元で暗闇の茅葺屋根を前景に花火を撮るか。
とりあえず三脚は仮置きして様子を見た。
西の空が綺麗な夕暮れのトワイライトになっていたので、
ライトアップした茅葺屋根や灯籠を組み合わせて撮りたかったが、
西の方向に高圧線と鉄塔があるので構図的には台無しである。
せっかくなので何カットか撮影はしたが何か物足りなさがあった。



空もすっかり暗くなり撮影ポイントに戻ってみると予想通りライトの当たって無い茅葺屋根は完全にシルエットとなっていた。
そのままここで狙おうかとも思ったが、
集落を歩いている時に唯一1ヵ所だけ山側からライトアップしている茅葺屋根があったので急遽そこへ移動。
花火がどこから上がるのか構図をまったく練っていないので、
とりあえず花火が上がってから構図を練る作戦で撮影の準備をする。
花火が上がる10分前の出来事だった。
18時40分、花火が打ち上がる。
ライトアップした茅葺屋根から少し左手から打ち上がり少し予想を外してしまった。
おまけに花火が思ったよりも小さいので目の前の茅葺屋根との対比に差があり過ぎてあまり絵にならない。
花火の内容は約10分、4号玉を含む40発の花火が打ち上がった。
40発の花火を10分かけて上げるのだから、単発がメインののんびりした演出であり、
ライトアップした茅葺屋根と一緒に撮影するには嬉しい展開であったが、
構図を調整しているうちに、あっという間に終わってしまい何とも中途半端な結果となってしまった。
数日前から事前調査し、早めに現地入りして入念に調査してこの有様に意気消沈。
あまりのショックに帰る道のりが凄く遠く感じた。

※美山かやぶきの里 雪灯籠
 毎年、冬に行われる雪灯籠。
 雪灯籠、花灯籠150基、LED灯籠200基、提灯50基等の灯籠が点灯し、夜のかやぶきの里をあかりで演出。
 今年は暖冬で雪が無いので雪灯籠は中止となった。
 開催日の初日と最終日に花火が打ち上がる。




写真館 二千年一夜