田之原展望台の雲海〜島根県大和村

雲海は秋の風物詩と言われているが、
条件が揃えば年中見ることが出来る。
むしろ人気スポットは混雑するので季節外れに好んで行くこともたまにある。
もちろん条件的には秋の方が適していることが多いが、
今回、田之原展望台を選んだのは秋と春とでは太陽の昇る位置が異なり、
三瓶山に近い方角から昇ることから今の時期に行ってみることにした。



春の雲海は朝が早く遅くとも現地には4時に着いておきたいので、
家を出たのは2時頃。
約2時間かけて田之原展望台に到着。
実は1週間前にも訪れているのだが、
現地に着いた時はあまりの強風で霧は溜まらず、
南方面の高谷山は雲海になっているのに悔しい思いをした。
そのリベンジで今回も訪れた訳だが、
国道375号線を走っていても霧が出ておらず上空には満天の星が輝いている、
今日も不発に終わったかと思ったが、
田之原展望台に向かう山道を上がっていくと霧が出てきて、
展望台に着いた時には目の前が霧の海になっていて驚いた。


※1週間前は北方面に殆ど霧は無かった。

4時を回る頃から上空は明るくなり肉眼でも周りの景色が見えて来る。
やはり春の朝は秋に比べると凄く早い。
構図は限られているので早速機材をセットして撮影準備に入る。
目の前の雑木林が目立つので、
少しでも高さを稼ぐため滅多に活躍しない大型三脚を使用する。
特に変わらないような気もするが、まぁ自分なりの些細な拘りで。







春の雲海の大敵はPM2.5や黄砂などの霞みで、
こればかりは秋の澄み切った空に比べると劣ってしまうが、
今日も若干PM2.5が多い予報になっていたものの、
思ったよりも綺麗な青空が広がってくれていた。
雲も少し多いが逆に薄い雲は空を焼けてくれて効果的な演出になったりする。
今日はまさに薄い雲が朝焼けに染まり理想の雲海絵図を作ってくれた。
太陽が昇る角度が三瓶山に近いことから朝焼けと絡めることが出来るのも予想通りだった。



欲を言えばもう少し冷え込みがあっても良かったかもしれないが、
上空の雲がホウキで掃いたような雲になっていたので、それなりに冷えていたのかもしれない。
田之原展望台から見える雲海は、湖のような姿で個人的にはあまり好みではないが、
それをどのように好みに構図を決めるかが腕の見せ所。
雲海、三瓶山、上空に広がる雲などの役者から主役を決めて構図を練る。
構図はほぼ変えず、時間が経つにつれて変化していく景色を楽しみながらシャッターを切っていった。


※アンテナから右側は視野が悪く雲海は見えるが撮影は適していない。

春の雲海撮影は朝が早いが終わるのも早いもので、
秋ならまだ空も明るくなっていない5時40分に終了。
展望台から少し降りた所にも展望台があるが、
そこはまだ霧の中だった。


※視野は開けているが三瓶山が見えない。




写真館 二千年一夜