鳥取砂丘〜鳥取県鳥取市

プライベートでjは何度か訪れているが、
撮影目的で訪れたことは実は一度も無くて、
いつか砂紋を撮りたいと思いながら未だ実現していなかった。
近いようで微妙に遠い鳥取砂丘であるが、
観光客の少ないご時世と日の出が海に近い方角に上がる限定期間、
そして梅雨の晴れ間で天気が良さそうなことから早朝に鳥取砂丘へ撮影することに決めた。






尾道から鳥取砂丘まで約250キロ。
最短ルートだと3時間くらいで着くらしいが、
交通費を節約するため尾道松江道路を走って松江、米子経由のアクセスを選ぶ。
それでも4時間あれば着くだろう。
23時30分頃に山陽道に乗り休憩を挟んでも楽勝で4時は着くだろうと思っていたのだが、
山陽道の入ってまず目にした電光掲示板に「三次東ー雲南通行止め」という文字。
まさかの工事通行止めだった。
そういえばラジオからよく尾道松江道路が夜間通行止めと言っていたのを思い出したが、
まさかそれに当たるとは・・・
もう少し早く気付いていれば東に向かって走っていたのに時すでに遅し、
このまま北を走って三次から国道54号線を走ることを考えたが、
どうせ下道を走るのなら三良坂から西城経由の鍵掛峠越えで米子を目指すルートを選んだ。
走り慣れた道ということもあって時間はかかったが、
南部バイパスが開通していたこともあって意外と早く着いたような気がする。
米子から鳥取まで約100キロの道のりだが、
山陰道は平坦な道で車も信号もほぼゼロなので時間はさほどかからなかった。

鳥取砂丘に着いたのは3時40分。
辺りはまだ暗いが東の空は少し明るくなっていた。
日本海に輝く漁火のお蔭もあってか辛うじて周りの景色は肉眼でも見える。
少し明るくなるまで車内で仮眠しようかと思ったが、
居ても立っても居られないので早速現地調査へ向かった。
さすがに広大な砂丘に1人で歩くのは怖いが、
駐車場には何台か砂丘目当ての観光客がいたのでそのうちやって来るだろう。
さて広大な砂丘をどこでどうやって撮ろうか・・・
とりあえず砂丘のシンボルである馬の背に向かって足を踏み入れると砂が固い。
靴が砂まみれになるので裸足で歩こうかと思ったが、
昨夜に雨が降ったのか砂が湿っているようで冷たい。
これだと砂紋どころか前日までの人の足跡が完全に残っており、
思い描いた光景とはかなりかけ離れた、というかいつもの見慣れた光景だった。

当初、馬の背から太陽の方向に向けて日本海と砂丘の構図を考えていたが、
肝心の砂紋が足跡だと絵にならないので、
どこか砂紋が無いか馬の背を西に向かって歩いてみると砂紋が広がっていたが、
観光客の足跡が無数にあり、やはり絵にならない。
辛うじて足跡の無い砂紋エリアを探して太陽が上がるのを待つ。
4時50分くらいの日の出時刻で既に鳥取港辺りは日差しが当たっていたが、
砂丘は山に遮られて太陽が見えたのは5時を回ってからだった。
思い描いていた構図とはちょっと違ったが、
太陽が顔を覗かした瞬間、目の前の砂丘に日差しが当たり小金のようにキラキラ輝き出したのは感動だった。
この時期、最も海に近い方角から太陽が上がるので訪れてみたが、
逆光になるのでやはり秋から冬のサイド光の方が撮影はしやすいかもしれない。


※この時期、海に近い方向から太陽が上がる





鳥取砂丘といえば馬の背が有名だが、
雨期にはオアシスが出来て馬の背と絡ませることが出来る。
ただの水溜りだと思っていたが、
実は砂丘に降り注がれた雨が湧き水として流れ溜まっているのだとか。
秋の方が撮影に適しているかもしれないが、
6月は6月でしか撮れない光景があるので、
馬の背、オアシス、日本海、砂紋などの出演者から主役を交代しながら構図を練るのも楽しいもので、
撮影場所を変えて気付けば砂丘を3時間近く歩いていた。
朝日が上がっている時は地元の人や観光客らしき人もチラホラ見かけたが、
やはり例年に比べると訪れる人は少ないのだろう。
お蔭で限られた砂紋も荒らされず撮影はしやすかったと思う。
いつもは馬の背まで歩いて日本海を見たらすぐ戻っていたが、
今回は広範囲に散策して構図を探したので、
もし秋から冬に訪れる機会があれば今日の撮影は大いに参考になった。


※撮りたい馬の背は足跡が残っており、馬の背を西側へ行くと比較的足跡は少なかった


※通常、風速5m以上で砂紋が出来るのだが前日の雨のせいか足跡が消えていない。






※朝が早いとは言え、観光客の少なさに驚かされる。


梅雨時期に山陰の上空は驚くほどに青空が広がっており、
このまま家に帰るのは勿体無いが、明日の仕事に支障が出てはいけないので大人しく来た道を戻る。
帰りは松江経由で帰ろうかとも思ったが、
来た道が意外と走りやすかったのと下道なので高速料金がかからず家計に優しい。
せっかくなので南部町にある母塚山へ寄ってみた。
期間限定でダイアモンド大山が見えるらしいが、
個人的には田園風景の広がる大山を撮ってみたいと前々から思っていたので、
花火大会の無い今年に訪れることになるだろう。



11時過ぎに庄原まで戻った時、せっかくなので七塚原のポプラ並木へ寄ってみた。
北側は青空が広がっていたが南側は雲が広がっており、
あと数時間もすれば庄原上空も曇り空に覆われるのかもしれない。
お気に入りの構図は半逆光気味で13時頃がベストだったが、
さすがに2時間も待てないのでシャッターを切った。






写真館 二千年一夜