吉和夏まつり〜広島県吉和村


廿日市市吉和町で花火が打ち上がる情報が入って来た。
本来、毎年8月15日に夏祭りが行われ最後に花火が打ち上がるのだが、
今年はイベントが中止で花火のみ打ち上げとなった。
花火のみと言ってもサプライズ花火で5分程度という訳では無く、
例年通りの規模で約2600発、この時期にしては全国的にもボリュームのある内容だった。

連日36度を超える猛暑の中、家を出たのは14時30分頃。
車内で熱したハンドルが熱くて持てないほどだった。
さて吉和までの道のりは廿日市、佐伯経由がわかりやすいが、
さすがに日中だと渋滞や信号で何時に着くかわからないので、
三次経由で中国道を走って吉和入りすることにした。
途中、戸河内で降りて時間に余裕があったので久々に井仁の棚田へ寄ってみた。





井仁の棚田〜広島県筒賀村

16時40分、井仁の棚田に到着。
ここへ来たのはいつ振りだろう。
ましてはこの時期に来ることは滅多にない。
ちょうど西に傾きかけた太陽が棚田全体に辺り、
段々箇所が陰になって棚田ならではの美しい姿が広がっていた。
ここは田植えが若干遅いのでまだ稲穂の頭は垂れておらず緑一色といったところ。
青い空に濃い緑の山のコントラストがまた素晴らしい。
お気に入りの構図は逆光になるので上手くハレ切りしながらシャッターを切る。
少し散策してみたいが暑さと時間の関係で今日は1ヵ所のみ。
それでも井仁の棚田といえばこの構図という場所で最高の姿を見れただけでも寄ってみた甲斐があった。



国道186号線を西にしばらく走らせると吉和に入る。
そういえば吉和を通過することはあっても立ち寄ることは今まで数回しかなかったので、
吉和の景色が新鮮に感じる。
何か腹ごしらえでもしようかと思ったが、吉和の主要道路沿いにそれらしき店は無く、
吉和唯一のスーパーであるコンビニは17時30分を過ぎていたので閉店の準備をしていた。
今回のお目当ての1つに向日葵畑を夕暮れ時に合わせて狙おうと思っていたのだが、
実際に向日葵畑を見ると何とも寂しい光景。
7月の長雨で各地の向日葵畑の生育が悪いとは聞いていたが、
ここの畑も例年に比べると散々な状況であった。
また機会があればいつか。



花火の打ち上げは吉和グラウンドと予想していたので、
それに合わせて事前に撮る場所を決めていたのだが、
グラウンドはイベント会場で花火は向日葵畑から200mほど離れた田園の中だった。
それじゃグラウンドは何があるのか行ってみると、
駐車場といくつか露店が出ていた。
花火観覧は車内から見る、所謂、今流行りのドライブイン花火スタイル。
打ち上げまで露店で買い物して車内で楽しむという、
これならソーシャルディスタンスで花火を楽しめそうだ。







車を支所の駐車場に止めて川沿いを歩きながら構図を練る。
周りに高い建物が無いので撮ろうと思えばどこからでも撮れるし、
実際に向日葵畑やその周辺でもカメラマンを見かけた。
川を覗きこんでみると何やら魚が泳いでいる。
先日見た仁淀ブルーには程遠いが、太田川の上流だけあって川の鮮明度は高い方だと思う。



特にネットでも発表はされておらず、
それでもみなさんどうやって情報を入手しているのか19時を過ぎた辺りから車が増えて来た。
目指す所は会場のグラウンドのようだが、既に満車になっているのか道路の往来が激しかった。
そして20時00分、花火が打ち上がる。
内容は小型煙火が多く、たまに単発が上がり4号玉は28mmのフレームをはみ出るほど開花した。
川を入れれば雰囲気のある絵になるが、
逆に花火の迫力を損なうので難しい選択。
同じような写真を撮っても面白くないので、小型煙火の時に川に映り込む花火と一緒に撮ってみた。
約2600発ということで時間も約30分と久々の長丁場の花火撮影となった。
決して満足の行く内容までは行かなかったが、
近くで見る花火はやっぱり楽しいし、何よりオンラインとは違って花火を体で感じられる体感があってこそ花火の醍醐味。
自分が知る限りでは、今日の花火が中四国最大の花火大会になったのではないかと思う。
それにしてもこの時期にこれほどの花火を打ち上げることが出来たのは、
観光業界のご尽力なのか、それとも協賛社の中で力のある人が動いたからなのか・・・
どちらにしても殆どの花火大会が中止となった中で、
これほどの花火を打ち上げることが出来た野田商事にとっては幸運だったに違いない。



帰りは山奥の田舎道なのでスムーズに帰れると思ったが、
何故か国道186号線がスムーズに流れず次第に渋滞し始めた。
それだけ廿日市や大竹から花火を求めて来ている人が多いのかと思ったが、
実は工事信号による渋滞だった。
さらに佐伯地区の手前でまた工事信号渋滞。
さすがに佐伯を過ぎると今までの渋滞は何だったのかというくらい空いていたが、
お蔭で国道2号線まで1時間以上かかってしまった。




写真館 二千年一夜