室谷の棚田〜島根県三隅町

東京五輪の関係で祝日が変動して4連休となった初日。
連日の真夏日でかなり疲労していたが突き抜ける青空が夏を演出しており、
今しか撮れない景色を求めて萩へ再び行くことにした。
萩への道のりは、いつもなら高速道路を利用して美祢から北上していたが、
休日割引が適用されないことと特に急いで行く必要も無いので、
今回はのんびり下道で山陰道を走ることにした。

せっかく山陰道を走るなら室谷の棚田へ寄ってみようと思い5時30分に出発。
いつものルートで浜田を目指し9時頃に到着。
今年の5月に久しぶりに訪れているので道に迷うことなく順調に着くことが出来たが、
石見三隅インターから近く、棚田までの道のりも道が綺麗になり、
初めて訪れた時に比べると本当に三隅町が近く感じるようになった。







さすがにこの時期に訪れる人は誰もおらず展望台の近くに車を止める。
朝から日差しが厳しいが思ったほど暑くないのは山陰ならではで、
展望台まで上がると風が気持ち良かった。
5月に植えた苗は成長して緑の絨毯となっており5月に見た景色と同じとは思えないのが棚田の面白い所。
真っ青に広がる空を期待したが今日は何故か朝から雲が多く、
雲が多いと海が青くならないので描いていた構図とは少しかけ離れたが、
雲で青空が見えなくなる前に急いで撮影。
イノシシ避けの電流ワイヤーが張られているので展望台から1カットのみと、
この時期は行動範囲がかなり限られる撮影となった。



撮影を終えて車に戻ろうとした時に草刈りに来た地主さんと少し話をすることが出来た。
棚田ならではの苦労話から後継者不足など、
もしかしたらもうこの景色が見れるのもあと僅かかもしれない。


※昔は竹藪の方まで棚田があったらしい


木与の棚田〜山口県阿武町

グーグルマップで検索している時、山口県内の棚田20選の1つである木与の棚田があり、
萩へ向かう途中ということもあり、ちょっと気になった棚田へ寄ってみた。
海沿いということもありタイミングが合えば春の代掻きと漁火が一緒に撮れる、
まさに東後畑のような光景が見れるかもしれない。
実際に訪れてみると綺麗に整地された段々畑で東後畑の棚田のような雰囲気はあまり感じられなかったが、
それでも代掻きの景色を見てみないとわからないので機会があれば挑戦してみたいと思う。



青海島〜山口県長門市

今日の最終目的は萩市で夜景を撮ることだが、
時間帯的に早いのでそのまま萩市を通過して青海島まで足を延ばす。
過去に何度か訪れているがなかなか思い通りの撮影が出来ずにいたので、
今回は時間をかけてじっくり撮影しようと思っていた。
現地に着いたのは13時頃で道の駅で買っておいた昼食を食べて遊歩道へ向かう。
スキューバ―ダイビングも出来るので駐車場はほぼ満車状態でかなり賑わっていた。



そんな光景を横目にキャンプ場から海岸沿いにAコースとBコースに分かれた時計回りの約2キロコースを歩いていく。
山陰は涼しいと思っていたのは午前中の話で、
さすがに午後に日差しは地面や海の照り返しもあってかなり体力的にきつかった。
それでも奇形な岩や壮大な岩肌、透き通る海に心癒される光景を楽しみながら進んでいく。
残念ながら見応えのある景色は松が生えて視野が悪く、
見るには支障が無くても撮影となると大いに支障があり思いのほか撮影スポットは少ない。
遊歩道から海へ降りる道もあるが7月中旬から8月いっぱいまで通行禁止となっており、
せっかく来たのに残念。
それなら暑さを考えると無理に夏に来なくても良いと改めて思った。
Aコースはそれなりに見応えがあったがBコースは特にこれという景色が無かったので、
そのまま駐車場へ戻っても良い。


※海は綺麗なのに視野が狭い


※象の鼻


青海島の象徴と言えるカモメ岩

今回は日中の撮影となったが、
タイミングとしては早朝や夕方に訪れるとまた違った景色が撮れそう・・・と前回訪れた時も思ったような気がする。
またいつか訪れよう。
必死の思いで車まで戻りしばらくクールダウン。
そのまま少し仮眠休憩。


※訪れるなら夏以外が良い





田床山の夜景〜山口県萩市

再び萩まで戻り田床山に上がる。
狭い山道だが去年の12月に訪れているので特に不安無く16時30分に到着。
さすがに今日は誰かいるかな?と思ったが誰も来ていなかったし誰も来なかった。
夜景撮影にはまだ早いので少し仮眠を取って帰りに備えることにした。
と言っても車内では熟睡出来ないしアイドリングするのも燃費に悪いので展望台でしばらく時間を過ごす。
ちょうど太陽が玉江港の上空にあり海がオレンジ色に染まっていたのでシャッターを切る。
小さな岩礁や周辺の島がシルエットになって意外と絵になったので、
夕日が上空にあればもっと綺麗なオレンジ色に染まっていたかもしれない。
とりあえるPLフィルターを付けてゼロ効果にしてオレンジ色に近い感じで仕上げてみた。


※雲が多いけど夕焼けになりそうな薄い雲

萩市上空の空は刻一刻と変わり、厚い雲に覆われ日差しが無い時はさすがに不安になったが、
その雲は次第に形を変えて大きな鳥が翼を広げているように見えた。
薄い雲が広がれば広がるほど広範囲な夜景を期待出来るが、
個人的にはトワイライトの空と一緒に夜景を撮りたい。
太陽は雲に隠れて一向に顔を見せないが周りの雲は徐々に夕方の姿に変わりつつあった。


※強い日差しが海を照らす



ひぐらしが鳴り響く中、今か今かと待っていた太陽が顔を出したのは19時15分。
日の入り5分前にしてようやく見せてくれた太陽は眩しく輝きながら水平線へ落ちて行った。
外灯や街の明かりが少しずつ灯り始め、海にも小さいながら漁船から光り輝く漁火が灯り始めた。
太陽が沈んでからどのように空が変化していくか、
それはまさに神のみぞ知る自然の芸術美が始まる。
真っ赤に染まる夕焼けのピークは19時40分頃だったが、
その時点でまだ夜景がピークになるのは早く、
ちょっと手を銜えれば夕焼けと夜景両方を合わせることも出来るが、
いろんな構図で撮って行きたいので派手な演出は止めておく。
ただ幸いにも夜景が全体的に灯り始めたタイミングに少し夕焼けが残ってくれた。


※8月中旬頃に鯖島の右側に太陽が落ちるので撮影する時期は8月の方が良いかも

20時10分、まだ撮影をしたい気持ちもあったが同じ作品を量産するだけなので、
とりあえず夜景、夕焼け、漁火の3役が揃った構図が撮れたことで目的は達成された。
今日は満月で明日も祝日ということもあり漁船はあまり出ないかと思ったが、
想像していたよりも出てくれてちょっと安心した。
ただ今日の漁が多いのかどうか基準がわからないし、
そういえば沖にはあまり漁火が見えなかったような気がする。
9月くらいまでは撮影チャンスがありそうなので、
今回の撮影を参考にまたいつか挑戦出来る時があればしてみたい。
それにしても初めて夏の夜景撮影をしてみたが虫の多さには参った。
景色が綺麗だからと言って大切な人と行くのは止めておいた方が良い。


※空が変化していく30分におよぶ自然の芸術美

20時30分、田床山を下山して来た道を戻る。
今回のもう一つの目的として尾道から萩まで下道でどのくらいかかるか。
日本海の沖に輝く漁火を横目に山陰道を浜田まで走り、
邑南経由で国道375号線に合流して尾道松江線を南下。
結果、4時間30分で帰宅。
あくまで夜間での話だが信号も車も少ないルートで走りやすかった。





写真館 二千年一夜