がいせん桜〜岡山県新庄村

桜シーズンも4月第二週にしてほぼ見頃を終えて、
残す所、中国地方では芸北か蒜山の標高の高い寒い地域のみとなり、
芸北の枝垂れ桜も気になる所だが、
蒜山ハーブガーデンの桜も見てみたかったので今回は蒜山を選んだ。
既に桜の満開を迎えており既に散り始めているのではと心配していたが、
ここ数日の寒の戻りで何とか見頃は続いているようだった。

桜シーズンが終わる頃になってようやく週末の天気に晴れマークが付き、
黄砂もPM2.5も無い澄み切った青空になりそうな1日だった。
もしかしたら霜注意報が出ると青空になるジンクスがあるのかもしれない。
ちなみに霜注意報は農作物に対して出る注意報なので、
霜が降りても3月より早い時期に注意報は出ないらしい。

どうしても土曜日は仕事疲れで早く起きれず、
それでも4時30分に家を出発。
5時40分の日の出時刻までに蒜山には到底間に合わないが、
今日は霧も出そうにないので敢えて遅めの出発にした。
一発目の撮影を蒜山のどこかにしようと考えていたが、
つい新庄村のがいせん桜の前を通った時に、ちょっと寄ってみようかなと予定に無かったが寄り道。
予報では既に散り始めとなっていたが、
それでも辛うじて見応えのある桜風景だった。
7時前ということもあって宿場町全体に日差しが当たるにはまだ早いが、
入り口付近の桜に日差しが当たり、
風が無いのにヒラヒラとたくさんの花びらが落ちて行く姿がとても綺麗だった。







がいせん桜は以前ライトアップの時に訪れた時以来で、
明るい時に訪れるのは初めてということもあり、
桜見学を兼ねて散策しながら気になる所を撮って行こうと思ったが、
建物の2階辺りまでしか日差しが当たっていないので撮影には至らなかった。
それに何といっても電線などの余計な人工物が目立ち過ぎて雰囲気が出ない。
せめて地中化すれば昔の雰囲気が出そうな気がするが、
桜の枝が張り巡らされているから地中化計画は無いか。
人も少なくのんびりした雰囲気にもうしばらく居たい気も合ったが、
次第に混雑していくのだろうから、ここは早めに切り上げて蒜山へ向かうことにした。




蒜山の桜〜岡山県川上村

新庄村から県道58号線を走っていると綺麗な桜並木が見えて思わず立ち止まってしまった。
これは蒜山でもかなり期待が出来そうだ。
野土路トンネルを抜けると数本の桜が「ようこそ!」と言わんばかりに出迎えてくれる。
8時00分、新庄村で寄り道したせいで1時間ほど予定時刻を過ぎて蒜山に到着。
ここから見る大山や高原の風景が好きで、
この桜の存在はネットで知っていたので楽しみにしていたが、
既にピークは過ぎていたのと、大山と一緒に撮るには距離が合わず思うように構図が見つからなかった。
ひるぜんベアバレースキー場にも桜があるが残念ながらクローズで立ち入り禁止となっていた。
何のために桜を植えているのか・・・


※新庄村から蒜山へ向かう途中の県道沿いにある桜並木。
 ちょうど満開だった。


※野土路峠を抜けて出迎えてくれる桜。既に散り始め

この時期にしては珍しく大山が綺麗に見えるので、
何とか大山と桜を一緒に撮りたいとウロウロしていると、
別荘らしき敷地に大きな桜が何本か有り、
それを少し離れたから狙うと距離的にもバランスの良い構図になりそうだった。
何とか苦し紛れの1カットを納める。







茅部神社の桜並木

あまりの風景の美しさと心地良さにこの場所から離れたくなかったが、
貴重な晴れた朝なので次の目的地へ向かう。
今回、蒜山に来た目的の本命はハーブガーデンの桜を見ることだったが、
開園時間が9時と遅いのでまたしても寄り道して茅部神社へ立ち寄った。


※参道の入り口

ここの桜は前回見ているので撮影せずにちょっと時間潰しがてらの桜見学をするつもりだったのだが、
あまりの綺麗さに思わずカメラを取り出し撮影。
多分、構図的には前回とあまり変わっていないような気がするが、
それでも同じ写真を撮りたくなってしまう衝動に駆られてしまう魅力だった。
もっと早くこの青空で桜を見たかった。
茅部神社の桜は1週間前に満開を迎えて既に散り始めていると思っていたが、
ここ数日の寒さで満開の状態を保っていた。



参道の入り口である北側の大鳥居から歩いて本堂まで行くには時間がかかるし、
前回歩いているので今日は車で本堂まで移動。
参道の桜並木も良かったが本堂附近の桜も見事で、
遠くに見える蒜山三座がまた良いアクセントになっている。
これほど美しい桜なのにあまり人が居ないところが個人的に凄く好きなポイントかもしれない。
ハーブガーデンが開くまでの時間潰しのはずが、
気付けば既に10時30分になろうとしていた。
いつまで居てもキリが無いので適当に切り上げてハーブガーデンへと向かう。




蒜山ハーブガーデン

茅部神社からすぐの所にハーブガーデンがあるので時間はさほどかからずして到着。
ここの桜を見ようと思えば園内に入る必要があるため開園時間を待たなければならないのだが、
運が良ければ霧が出て雲海が見えるので、
いつか桜と一緒に撮りたいと思っていただけに遅い開園は痛恨の極みでもあった。
入園料を払って高い位置から蒜山を一望出来る場所で桜と一緒に撮影。
念願だったハーブガーデンからの蒜山と桜の構図。
太陽が上がり過ぎたせいもあってさほど感動はしなかったので、
今度はもう少し早く来てみようと思う。
係り員の話によると9時開園だが30分前には来ているので早めに入れるかもとのこと。
それでもその時間帯だと雲海はとっくに消えていると思うが仕方ない。



ハーブガーデンに来たのなら頑張って臨空館へ上がってみようかと入り口まで行くと、
スズメバチの巣があると張り紙があったので止めておく。
それならそうともっと手前に貼っておいて欲しかった。

茅部野地区

今日は凄く天気が良くて大山や蒜山も綺麗に見えるので、
蕎麦の花が咲く茅部野地区に桜が無いかと行ってみる。
12時15分、茅部野地区に来て見たが山桜は見かけるもののソメイヨシノは見当たらなかった。
それよりも小規模ながら菜の花畑があり、
蕎麦の花と同じような構図で撮ることが出来る。
まさか茅部野に菜の花畑があるなんて思っても見なかったので思わぬ収穫に喜んだ。



早速、撮影をしていると通りがかりの住民に話を掛けられて、
どうやら土地の所有者のようで、勝手に畑に入って撮影しているから怒られるのかと思ったら、
自分もここで撮影をしていると言われ、
毎年、菜の花を植えているのですか?と尋ねると、
鳥が種を持って来て勝手に菜の花が咲くらしい。
ただ今年ほど綺麗に咲くのも珍しいので、良い写真を撮ってください!と激励を受けた。
時間帯によっては早朝や午後の時間帯で撮ると、また違った光景が見えて面白いかもしれない。
植田美術館辺りで菜の花畑があると知っていたが、
遠く見える大山南壁や蒜山三座と一緒に菜の花が撮れるのは多分殆どの人が知らない隠れた名所なのは間違いない。
場所がサイクリングロード沿いにあることから、
サイクリストが立ち止まっては写真を撮っていた。


※平成の森ドームのグラウンドより(グラウンドの中には入れない)

ひるぜんジャージーランド〜八束村

ジャージーランドの桜は以前にも訪れているが、
せっかくなので寄ってみることにした。
13時10分、ちょうどお昼時を過ぎた時間帯ということでジャージーランドの駐車場も賑わっていた。
ただ前回来た時よりも人が少なく感じたのはやはりコロナ禍の最中だからだろうか。
小ぶりの木々にピンク色の花びらを付ける桜並木が蒜山高原にマッチしてとても綺麗。
ちなみにピンク色なので染井吉野では無く、今流行りの神代曙なのだろうか。
そんな桜並木の奥にある蒜山の麓に見える山桜が気になっていたのだが、
まだ咲き始めといったところで桜並木より1週間の差があるようだった。
近くまで見てみたかったが桜並木を抜けた所までしか行くことが出来なかった。
後ろを振り向くと蒜山が一望出来るので早朝の雲海撮影に訪れてみたい。





御机・貝田地区〜鳥取県江府町

蒜山に来たのなら御机に寄って帰るのが恒例になっているので、
桜と大山南壁が一緒に撮れる場所を求めて行ってみる。
14時30分、御机に到着。
時間帯的に午後の日差しが大山に当たって良い感じである。
田んぼで農作業をしていたので作業が終わるまで地区内を散策。
何度か訪れている御机だが隅々まで散策するのは初めてで意外と新鮮だったが、
見慣れない人が歩いていると逆に不審者と思われてちょっと肩身が狭い気もある。
小ぶりながらも綺麗な枝垂れ桜があり、
大山と一緒に撮れないものかと粘ってみたが、
結局、構図が見つからづ断念した。



御机といえばお決まりの構図となるが、
ちょうど小屋の横に桜が咲いているのでまさに今の時期限定の絵となった。
ちょっと雲が出て大山南壁に影が出来ていたので雲が掃けるまで貝田へ行ってみることにした。
15時00分、貝田地区に到着。
見慣れた光景で桜も特に見当たらないがちょうど田んぼに水が入って代掻きが始まる寸前ということで、
あと1週間後に訪れると貝田地区全体に代掻きが終わりGW頃に田植えが始まるかと思われる。
水が入った田んぼに大山が映り込んでいる光景は以前から狙ってみたかったので、
結果的に桜と一緒に撮れなかったが来て良かった。



再び御机に戻ってお決まりの構図で撮影して今日の撮影はこれで終了。
桜撮影のタイミングは難しいもので、
あと1週間早ければまた違った大山と桜が撮れたかもしれない。
今年の春は寒暖差が大きく変化したこともあって満開のタイミングが難しいシーズンだったが、
それにしても4月第二週にして殆どの桜名所が終わりを迎えようとしているのだから不思議な春であった。






写真館 二千年一夜