ウマバの雲海〜徳島県池田町

去年の彼岸が過ぎた頃、
稲刈りを終えてはせ掛けした棚田に彼岸花が咲いている画像をSNSで見て以来、
来年は絶対に行きたい!と思いながら1年が経とうとしていた。
さすがに去年みたいに彼岸が終わってから彼岸花が咲くのは数年に一度であるが、
今年は今年で彼岸より少し早いタイミングで見頃を迎えようとしているこれまた異例のタイミング。
彼岸の休みは用事で諦めかけていたが3連休の中日に行くことに決めた。





3連休の初日は台風の影響を懸念して中日に出発。
どうせ行くなら最近ネットで知った馬場地区の展望台で雲海を狙いたいと思い、
当初、樫原の棚田撮影後に寄るつもりだったが、樫原地区に直行するにはかなり距離があるため、
1クッション置いた方が体力的にも楽なので池田町経由で上勝町へ行くことにした。
日付が替わって1時00分に出発。
瀬戸大橋以外は下道のルートで三好市へ向かうが、
片道約120キロで3時間と遠いようで実は意外と近く、
また去年末に開通した国道32号線の猪ノ鼻道路が開通してより便利になった。



馬場地区にある展望所の案内板は見当たらなかったが、
池田ダムを渡って右折後、最初の坂道を左折してそのまま道なりに上がっていけば馬場の展望所へ辿り着く。
ちなみに馬場以外に西山地区にも展望所があるので機会があれば雲海を見てみたい。
池田町に入った時は霧の姿は見えなかったが展望所へ上がると山城方面に霧溜まりが見えたので、
このまま流されて雲海になると期待していた。
ただ湿度が凄くて三脚があっという間に結露。
気温も道路の寒暖計では20度を超えていたので4時の時間帯にしては高温多湿過ぎる。
上空の星が凄く綺麗だったので放射冷却で冷え込みを期待したのだが、
結局、気温が下がること無く展望所は大きく霧に呑み込まれてしまった。
呑み込まれる前に30分ほど1回だけ露光しておいて良かったが結果は現像してみないとわからない。
当初の予定は初日に馬場へ寄るつもりは無く、
雲海が見れたらラッキーとダメ元で寄ってみたがやはり撃沈で終わった。
車内で少し仮眠を取って5時30分、上空に雲が広がり条件はますます悪化していたので、
雲海撮影を諦めて下山した。


樫原の棚田〜徳島県上勝町

今日の本命である樫原の棚田へ向かう。
ルートは大回りしてでも安全な勝浦町経由で行くことも考えたが、
個人的に思い出深い敢えて難所の国道193号線を選んだ。
あまりの狭さに衝撃的を受けた時から20年くらい経っているので、
少しは道路が拡張されたりトンネルが出来ても良さそうだが、
そこは相変わらずの悪路にかえって安心した。
さすがに20年以上の運転歴に軽自動車ということもあって、
昔さほど恐怖は感じられないがこの独特な雰囲気を味わえるのはやはり徳島ならではかもしれない。
樫原の棚田に着いたのは9時を過ぎた頃で、
三好市から国道193号線経由で約3時間30分くらいかかったことになる。
勝浦町経由だとどのくらいかかるかわからないが、
仮に同じくらい時間がかかるのなら勝浦町経由を選んだ方が体力的に楽かもしれない。



樫原の棚田は知名度があるので道に迷うことなく着くことが出来る。
ただ棚田周辺に駐車場は無いので、
途中の山犬嶽の登山用駐車場に止めて歩いて行った方が無難である。
駐車場から歩いて10分程度で樫原の棚田が見えて来る。
まだ刈入れは行われておらず一面に稲穂が広がっており、
畦道に咲く彼岸花の赤が良いアクセントになっていた。
裏から見下ろす画像を良く見かけるが、
個人的には東側から眺める景色が好みで、
午前中に射す日差しを考えれば東側からの方が撮りやすい。
撮影をしているとちょうど稲刈りが始まったので急いで撮影を済ませた。




山犬嶽〜徳島県上勝町

樫原の棚田の撮影を一旦終えて時間潰しに町内にあるいくつかの棚田を巡ってみることにした。
基本的に棚田百選以外まで回るとキリが無いので行かないことにしているのだが、
町内ならさほど遠くないので撮影を抜きにして見学。
そうこうしているうちに12時になろうとしていたので再び樫原の棚田へ戻ってみた。
すると何とあっという間に5反の稲が刈り終わりはせ掛けが始まっていた。
このペースで行くと刈った稲すべてはせ掛けするのかもしれない。
これまた夕方まで時間があるので何をして過ごそうかと思ったときに山犬嶽のコケ群が頭に浮かんだ。
上勝町のHPに載っていた名所の1つで、
登山道の途中にあるので時間に余裕が無ければ無理だと最初から調べていなかったのだが、
ここにきて時間に余裕が出来てしまったので行ってみることにした。


※市宇の棚田、蕎麦の花があるということで行ってみたが、ほんの一部だけあった。


※八重地の棚田、日本の里百選に選ばれた場所。2002年にほ場整備されているので棚田自体に歴史は無い。


※12時に戻ってみると稲刈りが終わってはぜ掛けが始まっていた。

駐車場から登山口まで約40分、ほぼ上り坂である。
そこからさらに緩い登山道を30分という道のり。
いくら標高が高くて涼しいとはいえ、残暑厳しい9月のお昼時に、
昼食も口にしていなければ何も準備していない状態でのアタックは無理があった。
幸いにも登山口に山カフェがオープンしており樫原地区内で採れたお茶を試飲させてもらったので何とか元気を取り戻した。
ちなみに第三土曜日のみオープンらしいが昨日が悪天候だったので本日オープンしていた。
コケ群生地まで緩やかで歩きやすい登山道であるが、
登山口までの道のりで体力を消耗していたせいもあってかなり疲れた。
13時頃に着いた時は杉林から木漏れ日がコケ群に当たり綺麗であるが、
写真にするには少し癖のある被写体で実際にファインダーで覗くとあまり面白くない。
そもそもコケを撮ることも無いのでどのように構図を作れば良いのかもわからないし、
何かアクセントが無いとコケだけでは物足りなさがある。
群生地を歩いて印象に残る場所があったので杉林を入れて構図を練ってみたが、
春に比べると緑色が弱いのか何か物足りない。
やはり時間帯としては春の午前中か。
とりあえずせっかく来たので数カット撮影して今後の傾向と対策を練ることにした。





登山道を下ってしばらく山カフェでのんびり時間を過ごさせてもらった。
棚田オーナーにも力を入れており、
標高600m以上ある樫原地区には江戸時代中期からある民家が存在するなど、
樫原地区のことについてもいろいろ教えてもらった。
残暑の日差しは少し厳しかったが風はとても心地良かった。










樫原の棚田〜徳島県上勝町

樫原の棚田は上地区と中地区に分かれており、
山犬嶽周辺は上地区で撮影スポットは中地区となる。
上地区の棚田もはせ掛けが行われているので、
どうやら樫原地区ははせ掛けに拘っているのかどうかわからないが、
最近ではあまり見かけない光景になりつつあるのではせ掛けの光景が見られるのは嬉しい。
作業中に撮影すると怒られるので、
作業が終わる夕方を狙って少し離れた所で待機。
そして16時30分頃に稲刈りした田んぼにはせ掛けを済ませて帰っていった所を見計らって撮影。
既に午後の日差しは山に隠れて棚田全体に影ってしまったのが残念だったが、
とりあえず今回の旅の目的が達成出来て良かった。
正直、はせ掛けの光景は1週間早いと思っていただけに、
稲刈り前とはせ掛けの光景が両方見れたのは幸運だった。
中地区全体がはせ掛けになるのは次の週あたりだろうか。
去年はそのタイミングで彼岸花が咲くという奇跡な年だったが、
機会があればいつか狙ってみたい。


※午前中に訪れてみたい。


阿南サプライズ花火〜徳島県阿南市

樫原の棚田も無事に撮影出来たので今日の最終目的である花火撮影のため阿南市へ向かう。
18時10分、阿南市の県道22号線沿いにある下大野八幡神社に到着。
この近くの田園の中から花火が上がる・・・と予想したが予想通り筒場を発見。
ざっと見る限り3号玉クラスの筒が小規模に並べられているので派手な演出は無さそうだ。
撮ろうと思えばどこからでも撮れるが背景に何か入れたいので、
日亜化学工業の外灯が入るように構図を練る。
打ち上げ時刻がわからないので花火師に聞けば良いのだが、
ちょうど休憩中で仮眠を取っていたので話しかけるのは止めた。



18時30分になると辺りも暗くなり早ければ19時から上がっても良さそうだが、
さすがに19時は早かったか。
飛行機の時間帯にも寄るらしいが19時30分になっても花火は上がらず、
そんなに遅いのなら先にご飯を食べておくべきだった。
山カフェでチョコレートを食べた以外では朝から何も食べてないので空腹に耐えるのも辛い。
花火は20時に打ち上がり推定70発、2分ほど披露された。
個人によるサプライズなのか近くの病院向けのためなのか、
結局、最初から最後までわからずじまいで撮影は終了。
本日最後に楽しみにしていた徳島ラーメンはどこも閉まっていて残念ながら食べることが出来ず、
徳島ラーメンは疎か殆どの店が閉店もしくはテイクアウト。
恐るべし緊急事態宣言。
どうしてもラーメンが食べたかったのでコンビニで食べて三好市まで戻った。





写真館 二千年一夜