神峰山〜広島県木江町

去年に引き続き今年もコロナ禍で多くの花火大会が中止となり、
開催されても小規模の分散型だったりシークレット(打上げ場所や日時の発表無し)だったりする中、
大崎上島町の木江地区で花火大会が行われることを知った。
例年だと木江十七夜祭の一環として花火大会が行われるが、
今年は櫂伝馬競漕やステージイベント、屋台などは中止で花火大会のみ開催とのこと。
全国で見るとこのようなケースはいくつか見かけたが、
中四国では花火大会という名目で花火を上げるのは、
私の知る限りではほんの数か所の中の1ヵ所という貴重な花火大会である。
それならぜひ行きたい!
しかし帰りのフェリーが無いことは以前から知っていた。
それでも車で行って車内泊してでも見てみたい。
いや、むしろ今だからこそ見れるチャンスと思い大崎上島へ行くことを決めた。







竹原港から14時の便に乗るつもりで家を出たが、
木原バイパスが開通したこともあって早めに着いてしまったので、
1本早い13時30分の便に乗ることにした。
およそ30分おきに出るフェリーにそこまで需要があるのか?と思ったが、
次の便はほぼ満車状態という高い乗車率であった。
心地良い風を受けて25分による瀬戸内クルーズを楽しみながら垂水港に到着。
とりあえず昼ご飯を食べていないので中華そばの美味しいという噂の徳森食堂へ向かった。



徳森食堂で中華そばを食べて腹ごしらえしたところで、
まず最初に向かったのは標高約450mある神峰山展望台。
大崎地区から案内板が出ているので迷うことなく辿り着くことが出来るが、
途中から道が狭くなるので対向車が来ないことを願いながら進んでいった。
展望台は第1から第3まであるが、
第2と第3は遊歩道沿いにあり体力も時間も無いので今回は駐車場沿いにある第1展望台のみとする。



15時00分、観光客が多いと思ったら誰もいなかった。
お蔭で180度の瀬戸内海大パノラマを1人占め。
瀬戸内海を南に向けて見る光景を見慣れているせいか、
北側に向けて見る光景は新鮮で大崎地区の街並みや大小さまざまな島が見えて面白い。
ちょうど波風が無いのか海が穏やかで外国人が湖と勘違いするのも分かる気がする。
このまま夕方までいれば確実に焼けるであろう夕焼けに染まる瀬戸内海が見れそうだった。
今の時期だと長島の左側に太陽が落ちるので撮影する時期は夏が良さそうなので、
涼しい時期はちょっと厳しいか。
第2、第3展望台からは南側に向けたしまなみ海道などの光景が見れるらしいので気にはなっていたが、
南側に雲が広がっていたので素直に諦めが付いた。
いつか涼しい時に来る機会があれば行ってみようと思う。
直射日光が厳しくて汗が噴き出る中での撮影だったが、
木陰が出来た休憩スペースに避難すると風が心地良かった。
しばらく神峰山からの光景を眺めていたいところだが、
時間が無いので惜しみながら下山した。




中ノ鼻灯台〜広島県木江町

神峰山を南に下山していくと木江地区になり、
東へ海岸沿いを走っていくと中ノ鼻灯台があるが、
灯台の案内板が無いのでうっかり通過するところだった。
16時00分、県道65号線からホテル清風館へ行く途中にある灯台に到着。
高さは無いが真っ白に輝く姿を青い空の下で撮りたいと思っていただけに、
今日は絶好の灯台撮影日和となった。
少しでも海を入れたいので脚立を使っていろんな角度からシャッターを切った。
アクセントに貨物船やフェリーが通過すれば良かったのだが、
航路から外れているのか船の通過が殆ど無かったような気がした。
時間帯によっては大三島と天満港を結ぶ船が撮れるかもしれない。


※清風館の駐車場にある中ノ鼻から木江地区を眺める


※いろんな角度から灯台を見学。早朝の灯台も気になる





きのえ十七夜祭花火大会〜広島県木江町

島内の花火大会と言えど公式に発表されているので、
どのくらい混雑するのかまったく予想が付かず、
とりあえず現地調査を兼ねて16時30分と早めの現地入りしてみた。
例年だと早くから場所取りとかされているのかもしれないが、
今日は場所取りは疎か人っ子一人見当たらず、
場所取りをしている光景も見当たらない。
台船も姿が無いし本当に花火大会が行われるのか不安になってきた。
臨時駐車場の看板が立っているので中止ではなさそうだが、
ステージも露店も無ければ早くから来る必要も無いので、
地元の人達は夕暮れ時になってからやって来るのかもしれない。
すべての催しは中止になっているが、街中に飾りがされてお祭りの雰囲気が感じられ、
木江港には何故か3チームの櫂伝馬を見ることが出来た。



臨時駐車場は広島銀行の駐車場とその隣の空き地、木江小学校近くの空き地の二ヵ所で、
帰りのことを考えて木江小学校跡地に一番乗りで車を止めた。
台船がいないと構図も決められないので、時間潰しを兼ねて木江地区を散策。
かつて潮待ち港として栄えていたこともあって古い建物が今でも残り何と5階建ての木造建物が今でも健在している。
海沿いにあった雰囲気のある3階建ての木造建物を見てみたかったが数年前に取り壊されたのが残念である。
グーグルマップでは行けなかった小高い所から見下ろす木江地区も雰囲気があって良い。
映画「東京家族」のロケ地としても有名だが、どんなところで撮影していたのか改めて見たくなった。



夕方とは言えさすがにアップダウンの街並みを散策すると汗だくで疲れた。
しばらく木江桟橋で海を眺めているとようやく台船がやってきた。
例年だと2隻の台船から花火が上がるが、さすがに今年は1隻のみだと思ったが、
今年も2隻の台船がやってきたのでどうやら例年通りの規模の花火を打ち上げるようだ。
このご時世にどこにそんな予算と余裕があるのかわからないが、
去年中止になった分を今年まとめて上げようと思ったのだろう。
花火を打ち上げるまでのどのような経緯があったかもわからないが、
どちらにしても例年通りの規模で花火が見れるのは本当に絶好の機会となった。



台船が停泊したことで構図を決める。
撮ろうと思えばどこからでも撮れるし、
混雑を避けて小高い所から狙うことも考えたが、
なるべく駐車場から近い所が良いので提灯鳥居がある海岸沿いから狙うことにした。
時間が経つにつれて日が暮れて、いつしか人も徐々に見かけるようになってきた。
どちらかというと大人より地元学生の姿が目についた。
浴衣姿の女の子も着れる機会があって嬉しかったに違いない。
残念ながら屋台も飲食ブースも無いのでお腹は空くかもしれないが、
友達同士の楽しそうな会話がいろんな所で飛び交っていた。



花火打ち上げ時刻が迫っていたが、
やはり思ったほどの混雑は無く、空いたスぺースがあれば車が止まるほど花火大会ではありないのんびりした光景だった。
例年がどのくらい混雑しているのかわからないが、見ようと思えばどこからでも見れる好立地なので、
もしかしたら例年もさほど混雑はしないのかもしれないが、
海上で行われる祭事が行われていれば厳島神社付近はかなり混雑しているかもしれない。
今日は提灯鳥居以外は何も無いのでのんびりした厳島神社周辺である。
そして20時00分、花火が打ち上がる。
特にこれといった特別な演出は無く、ただ花火が上がるシンプルな演出であるが、
打ち上がった花火の種類は意外と面白くて、花火師の粋な計らいを感じた。
今年は水中花火が無かったのが残念だったが、
打ち上げ花火の演出はほぼ変わらず約4500発の花火が打ち上がり、
最後は冠菊の連打で久しぶりの体感花火を感じることが出来た。


20時30分、花火大会が終わり急いで垂水港まで戻る。
20時40分に駐車場を出て最終便のフェリーまで25分。
時間に関しては気持ち的に余裕はあったが実は積み残しのことを考えていたので、
乗船するまで油断は禁物。
さすがにフェリーに乗ってまで花火を見る人はいないと予想しているが・・・
木江から垂水港までは信号が無かったので渋滞することも無く、
10分くらいで垂水港に着いた。
往復券を購入しているが一度窓口に寄らないといけないので急いで手続きをして無事に乗船。
結局、フェリーの半分くらいの台数に余裕があったので心配することは無かった。
最後に本土からやってきた警備員一行も乗せて出港。
その光景がどことなく宮島の花火大会に似ていた。







写真館 二千年一夜