黒尊渓谷〜高知県西土佐村

香南市の朝はとても暖かくさすが南国。
朝は冷え込むと言っていたがフロントガラスが結露していないのは曇っていたせいからなのか。
6時00分に四万十に向かって出発。
ざっと3時間あれば着くと予想したが朝が早いのでもう少し早く着くと期待しながら西へ車を走らせる。
道は空いて信号の無い快適なドライブだったが、
やはりそれなりに時間がかかり江川崎まで3時間かかってしまった。
ただ窪川から国道381号線を四万十川沿いに走っていると、
川に沿って走る予土線が廃線になった三江線と雰囲気が似ていて思わず立ち止まって写真を撮りたくなりそうだった。
そういえば2006年に大正町のどこかで土讃線の撮影をしていたような気がする。
秋は陰るのが早いからやはり撮影するなら春から夏にかけてが良さそうだ。







国道441号線を下って口屋内沈下橋を過ぎたところに黒尊渓谷の案内板があり、
そこから狭い山道を約20キロ入っていく。
道は狭いが生活道路なので道は悪くないが対向車が来るとどうしても時間がかかってしまう。
所々綺麗な景色もあったが運転に集中して景色を堪能している暇は無い。
香南市から3時間あれば着くと思ったが、
そもそも香南から高知市内まで30分かかることを考えていなかったので、
江川崎まで3時間かかり、国道441号線は道の狭い箇所がありこちらも予想外に時間がかかり、
そして何と言っても国道441号線から黒尊渓谷まで約20キロの移動に時間がかかった。



黒尊渓谷に着いたのは10時を少し過ぎた頃。
結局、出発してから4時間近くかかってしまった。
ただ大正町までは雲の広がる寒い景色も黒尊渓谷が近づくにつれて青空が広がり日差しが当たりだして、
黒尊渓谷に着いた頃は絶好の撮影日和となったのは不幸中の幸いだった。
高知と愛媛の県境に位置する山奥の深い場所にある渓谷で、
今まであまり訪れる人がいない隠れた紅葉の名所だったらしいが、
ここ数日前に新聞やテレビで紹介されたせいか、
着いた時はそれなりに観光客がいたり露店も出ていて、
隠れた名所が一気にメジャーになってしまったのは残念のような気がした。



紅葉の名所といっても渓谷沿いに駐車場が無いので路肩の広いところに止めて渓谷を散策することになる。
渓谷自体は広いのだろうけど見応えのある所は神殿橋から上流にかけて紅葉が美しい。
じっくり散策すればまだまだたくさん見所はあるのだろうけど、
ここへ来るのにかなり時間を費やしてしまったので今回は神殿橋周辺に集中して撮影を行った。
色付きからして今が見頃と言いたいが全体的に染まっているという訳では無く、
同じカエデでも綺麗に色付いているのもあればまだ青葉だったりするその差は何なんだろう。
機会があればまた来よう、と思えるほど気軽に来れる場所ではないので、
もう二度と来ることは無いだろうという気持ちでシャッターを切った。
それでも完全なる紅葉を見てみたい。
そのような光景はもはや数年に一度の割合なのだろうか。



神殿橋周辺に駐車場は無いが、ここから4キロほど下った所に親水公園があり、
駐車場やトイレもあるのでそこから歩いて散策しても良いかもしれない。
さらに下っていくと玖木地区の二子松の紅葉という一際目立つ紅葉があり、
撮影はしなかったがもう少し水面があれば面白い絵になっていただけに惜しい。





白竜湖〜高知県東津野村

四万十川から片道20キロかけて来た黒尊渓谷なので、
帰りも当然片道20キロの来た道を戻らなければならない。
行く時はさほど遠いと感じなかったが帰りは対向車がたくさん来るので行っては止まりの繰り返しでかなり時間がかかったような気がする。
12時20分、国道441号線まで戻り岩間沈下橋を見ながら今後の予定を組み直す。
本来ならこれから4か所撮影する場所を決めていたが、
既に12時を回ってしまっているので、この調子だとせいぜい2ヵ所くらい。
帰りのことを考えると須崎へ行くにはしんどいので、
津野町にある白竜湖を優先した。
白竜湖は去年くらいからSNSで人気が出て今シーズンはぜひ行ってみたいと思っていた場所の1つだった。
山道なので時間はさほどかからないだろうと思っていたが、
高速道路ではないので距離があればやはり時間もそれなりにかかることがよくわかった。



14時00分前に白竜湖の入り口の目印になっている巨大タヌキの置物に到着。
以前は穴場的スポットだったらしいが最近ではすっかりSNSで有名になっており、
この日も路肩にバイクや車がたくさん止まっていた。
入り口から少し下っていくと白竜湖に到着。
周辺の紅葉は綺麗に色付いていたがやはり到着が遅すぎた。
白竜湖に日差しが当たっていない。
周辺の山々の間にあるのでここも11時から13時くらいに来ていなければいけなかった。
水は綺麗だが日差しが当たっていれば感動の具合が違っていただろう。
せっかく来たので数カット撮影。



ちなみに白竜湖と言っても人工で作られた何かの施設で湖というにはかなり大袈裟な名称である。
今でも稼働しているのかわからないが個人の方が管理されており、
白竜湖には鯉が何匹か泳いでいる。
そんな白竜湖から川に向かって数百メートル歩くと蛇ヶ淵があり、
川の透明度の美しさに旅の疲れが癒されたが、こちらも残念ながら日差しは既に当たっていない。
個人的には人工的な施設より自然が作った渓谷美の方が良かった。





長沢の滝〜高知県東津野村

白竜湖から少し北に行ったところに長沢の滝がある。
観光名所として力を入れているので場所はわかりやすく、
最近では白竜湖とセットで観光に訪れる人も多いらしい。
14時50分、当然のことながら滝に日差しは当たっていないが、
逆に全体的に当たっていない方が写真は撮れやすい。
滝の周辺の紅葉は殆ど落葉していて見頃は1週間遅かった。
ハート形の滝口が人気を呼んでいるとのことだが、
言われなければわからない(笑)
一応撮影はしたが新緑や紅葉が綺麗な滝なのでまたいつか訪れたい。



訪れたい場所はまだあったが帰りのことを考えて撮影はこれで終了。
帰りは仁淀川町経由で戻る。
去年の夏に訪れているので見慣れた景色と走り慣れた道路で、
日差しの当たる山頂と日陰になった山の麓の景色を横目に家に向かった。






写真館 二千年一夜