浅利海岸〜島根県江津市

ゴールデンウィーク中に室谷の棚田を撮りに行きたいと去年から思っていて、
去年は雰囲気的に外出が出来なかったので、
今回は半ば強行で室谷の棚田撮影を決行。
せっかく山陰へ行くのならいくつか寄り道したいので最初に浅利海岸へ立ち寄ってみた。



ちょうど12時頃に浅利海岸に到着。
澄み切った青空と青い海。
この時期にPM2.5や黄砂の無い空はとても貴重で、
空が青いと山陰ブルーも本領発揮している。
波が高いが白波が良いアクセントになって良い。
以前から国道9号線を走っていると気になっていた浅利海岸の風力発電所のプロペラ群を撮ってみたいと思っていて、
今回、最高の条件で撮影することが出来た。
6月くらいになると日本海から朝日が見えるので早朝にどんな景色が見れるのかも気になるので機会があれば。
サーフィンをしている人も見かけてコロナ禍で世界が大変になっているとは到底思えない平穏な景色に心が癒された。






山陰本線、波子駅〜島根県江津市

13時00分、波子駅に到着。
歩いて10分ほど駅の裏にある古城山展望台から石州瓦の街並みと日本海と一緒に山陰本線が撮れる有名なお立ち台スポット。
今年の3月に現地調査して今回、天気の良い日を狙って訪れてみた。
浅利海岸と同じく青い空の青い海、風が強くて白波が立っている最高の条件。
ただタイミング悪く13時台は何と京都方面行きの1本しか走らないのでシャッターチャンスはわずか1度のみで、
せめてあと1時間早く着いておきたかった。



前回来た時も思ったが、草木が成長して線路が見える範囲がかなり狭まっているのが気になるところで、
仮に何人か先客がいれば撮影場所が難儀であるが、
今日は幸いにも誰一人としていなかった。
機材をセットして構図を練っていると何やらディーゼルの音が聴こえてくる。
時刻表に載っていなかった2両編成が京都方面へ走っていった。
後で時刻表で調べてみると、どうやらスーパーまつかぜが波子駅を通過したようで、
波子駅は水族館アクアスから近いこともあって快速が止まる駅だが、
通過する列車があるとは完全に調査不足だった。



その後、13時23分発の普通列車を撮影して終了。
時間帯的にはトップ光だったが車両の側面が影になってしまったので、
やはり撮影するなら遅くても11時台くらいまでが良いかもしれない。


石見畳ケ浦〜島根県浜田市

14時00分、石見畳ケ浦に到着。
以前訪れた時は曇空で撮影には至らなかったけど神秘的な場所だったので、
いつか天気の良い日に再訪問したいと思っていた。
前回訪れた時は時間も遅かったことから殆ど人がいなかったが、
今日はさすがGWということで観光ガイドの人も見かけた。
石見畳ケ浦の駐車場は有料(200円)で狭いので、
少し離れた国府海水浴場の駐車場から歩いて向かう人を見かけたが、
今日は時間が無いので有料駐車場に止める。



前回はトンネルを潜って千畳敷までしか行かなかったので、
ゆっくり歩いても40分あれば戻って来れるというガイドのアドバイスもあって、
今回はめがね橋まで足を延ばして散策してみる。
トンネルを潜ってまず最初に驚かされるのが無数にあるノジュールと呼ばれる岩群。
長い年月をかけて波で削られたまさに自然の芸術作品に圧倒されるが、
この光景が見れるのもここ石見畳ケ浦以外ではあまり無いかもしれない。
なぜこのような現象が起きたのかは専門じゃないのでわからないが、
本当に自然の節理というのは不思議なものである。



基本的にこの海岸は砂浜が無ければ波打ち際で遊べるような場所ではないが、
千畳敷から馬の瀬にかけて海の生き物を観察している家族連れが多い。
馬の瀬からさらに奥へ行くとノジュールが見かけなくなり、
ゴツゴツした岩礁が多く見かける。
これも長い年月が経てば千畳敷のような光景になるのかもしれない。
めがね橋辺りまでまで行くといろんな変形した岩があり、
同じ場所でこれだけ様々な岩が見れるのは本当に貴重な場所なのだと改めて思った。



摩訶不思議な海岸に久しぶりの海岸撮影ということもあって夢中で撮影してると、
気付けば1時間を余裕で過ぎていたのでそろそろ駐車場へ戻ることにした。







室谷の棚田〜島根県三隅町

昨年の桜シーズンの時に遠いと思っていた三隅も、
自動車専用道が三隅まで開通したのでアクセスも随分楽になった。
途中、スーパーで弁当を買って遅い昼食、というか既に夕食になってしまった。
17時00分、本来は三隅公園に寄ってツツジを見てみたかったが、
時間も無いし見頃も今年は例年より1週間早いのできっと過ぎているだろうから止めて室谷に直行した。
室谷の棚田に訪れたのは実に2006年以来で、
その時は、日差しがあるような無いような霞みかかった蒸し暑いことだけが記憶にある。
それ以降、場所的に遠いこともあってなかなか縁が無かったが、
今日は最高に良い条件で15年振りの再訪問となった。



展望台付近に車を止めるスペースが無いので、
少し下った道路の路肩に車を止めて歩いて展望台へ向かう。
以前訪れた時は展望台があった記憶は無いが、
途中からハート型の田んぼを撮った記憶があり、
その田んぼは今も健在であった。
それにしてもここの棚田の凄い所は、
殆どの田んぼに水が張られており休耕田が殆ど無いということ。
昨今の棚田にしては珍しいと思われるが、
特に棚田オーナー制度を設けているようにも見えないし、
かと言って決して容易く農業が出来る場所でも無い。
それでもここまで棚田が生き生きとしているのは何故なのだろう。
GW頃には田植えが終わっていると思っていたが、
GW前半の天気が悪かったせいかちょうど半分程度田植えが終わっている状況で、
今日も田植えを行っている農家を見かけた。
田植えにゴールデンウィークは関係無いのである。



そんな光景を見ながら展望台へ到着。
既に何名かのカメラマンがいたが混雑するようなことは無かった。
太陽が隠れる前に西日が棚田に当たって山の緑や棚田の水面が輝いてとても綺麗なので撮影。
棚田はトップ光よりも朝や西日など斜めに当たる時間帯が立体感が生まれて棚田の良さが感じられる。
あまり動き回れる場所じゃないので構図が限られてしまうが、
それでも展望台からの光景以上の構図が見当たらないのでこの1構図に絞って撮影を進めて行った。
時間が経つにつれて刻一刻と雰囲気が変わっていき、
19時前に日の入りを迎える頃には上空も青空からトワイライトの色へ変わっていった。
水平線上に霞みがかかってしまったので思ったほど夕焼けにならなかったのは悔やまれるが、
太陽の沈む位置が裏山にかかってしまうので仕方ない。



19時30分頃に撮影を終えて今日の撮影は終了。
棚田から聞こえるカエルの大合唱は考えてみれば今年初めて聞いたような気がする。
山の中から微かに聞こえるフクロウの鳴き声。
耳をすませばいろんな声が聴こえてくる、室谷はそんな居心地の良い場所だった。





写真館 二千年一夜