於保知盆地の雲海〜島根県石見町

随分前に石見町を車で走っていた時に偶然見つけた雲海が見える展望所があり、
いつかここで雲海を撮りたいと思いつつ気が付けば随分と時が流れていた。
そろそろ本腰で撮ろうと機会を狙っていたが、
実は太陽が上がる位置と秋の雲海シーズンは相性が悪く狙うなら初夏が良いと考えていた。
秋に比べると狙えるチャンスは少ないがタイミングが合えば十分チャンスはあるので、
そこは週末の天気予報を常にチェックしておく必要がある。
この日は金曜日の雨上がりからの土曜日の晴れ予報から雲海が出ると予想。
太陽が上がる位置も冠山の右側と悪くない。
日の出時刻は5時前とかなり早く、遅くとも現地には4時には着いておきたいので1時30分に家を出発した。







出発前に高谷山のライブカメラで霧が出ていることを確認しているので、
確実に雲海になると予想したが、
三次を過ぎると一切霧の姿を見なかったので正直不安になっていた。
国道261号線に入っても霧の姿が見えず雲海に出会えないかと思ったが、
石見地区に入ってから霧溜まりに入って一安心。
現地に着いたのは4時前で既に上空の空は明るくなっていた。
クマ出没注意の看板が現実的に恐怖を感じるが、
車に乗りつけられる場所なのが少し安心でもある。
それにしても以前来た時は視野が開けた展望所と記憶していたが、
実際の景色は木々で覆われて随分と視野が狭くなったような気がする。
幸いカメラマンはいなかったので木々を避けて撮影は出来たが、
もし先客が数名いれば展望所からの撮影は無理だった。
ちなみに展望所から少し上がった道路沿いからでも視野が開けた場所があるので、
ここから狙えることが出来るが、見る角度が北側となるので日の出から離れてしまうことが難点。


※このまま三瓶山上空が焼けるかと期待したが、
 結果的に太陽が昇る方向の上空が焼けることとなった。

東の空が赤く焼けていたので早速撮影に入る。
視野は広いが木々で構図が限られているので冠山と三瓶山が入るように切り取り構図を決める。
眼下に見える街並みが完全に霧で埋まって無いことからもう少し霧が溜まって欲しいところだが、
この時期に雲海が見れただけでも贅沢は言えない。
三瓶山の上空に広がるウロコ雲が薄赤く染まりだしたので、
このまま真っ赤に染まることを期待していたが残念ながら染まることは無く、
その代わり太陽が上がる上空は真っ赤に染まりだし、
ここからだと日の出が撮れないのでそれを考えると撮影場所の選択を間違えたと言えざる得ない。






※秋はもっと右側から太陽が上がるのでこのような空が見えるのは今の時期ならでは

5時20分くらいになってから太陽が山から顔を出し、
雲海に日差しが当たって表情も変化していくのだが、
雲が多かったせいか日差しが当たらず雲海も思ったほど変化は見られない。
思いのほか撮れ高も少なく撮り応えも感じられなかったが、
とりあえず於保知盆地で雲海を撮る目標は達成出来たことは嬉しく思う。
5時30分、雲は多かったが澄み切った青空も見えて気持ちの良い朝だった。
結局、美しい雲海を目の前に誰一人とカメラマンに逢うことなく撮影を終えた。
せっかくなのでこの周辺の雲海スポットを調査してみた。

 
※展望所周辺の道路沿い
 展望所がカメラマンでいっぱいの時の予備地。


※いこいの村しまね
 建物の外からも見ることは出来るが展望は良くない。



※縄文村の駐車場
 展望所に比べると若干標高が高いが視野は広くない。

そういえば展望所からさらに高い原山というから雲海を狙える場所がかつてあったことを思い出した。
当時、合併する前の石見町のHPに雲海スポットとして正式に紹介されており、
現地調査を兼ねて行ったことがあったが、
道の悪い林道で車では先に進めず、かと言って歩いて向かうにはクマ出没地域なので断念した。
今となっては公式からも削除されて幻の雲海スポットとなっている。





写真館 二千年一夜