大歳神社の雪景〜広島県芸北町

以前から芸北の雪景色を撮りたいと思っていたがなかなか機会が訪れず、
そんな中、スノーリゾートサイオトで花火イベントがあり、
運良く週末の寒波とイベント当日の早朝が晴れ予報ということもあり、
それならもしかして樹氷とか見れるかも?と期待を膨らまして芸北へ行くことにした。







朝の3時に家を出発。
途中、バイパスが工事中で信号待ちをしたり通行止めで下道に降ろされたりと、
深夜移動なのに志和インターまで1時間30分と余計な時間をかけてしまった。
戸河内インターで降りると道路の雪は殆ど無く、ライブカメラで分かっていたが少し拍子抜け。
国道191号線を北上して三段峡を過ぎた辺りから道路上に雪が見えてきた。
この峠を境に豪雪地帯の入り口となり、
仮に雪が無くても気温が氷点下になっていればアイスバーンに気を付けて運転しなければならない。
結局、この日の深夜移動はこれといった圧雪道ではなかったので難なく芸北まで来れたので少し物足りなさがある。



八幡地区に着いたのは6時30分頃でまだ辺りは暗い。
道中、霧の姿は確認出来たが芸北では今のところ霧の姿は見えなかった。
月の灯かりで少し周りの背景が見えるが、
どうやら山々に着雪はあまり目立っていないのは雪が止んだ後に風で落ちてしまったからなのか。
どちらにしても霧氷どころか豪雪地帯である芸北らしさの無い光景に少しショックだった。
早朝が晴れれば放射冷却で気温は一気に下がるのだが、
道路寒暖計はマイナス5度と期待していたいほど下がらなかったのは上空に流れている厚い雲のせいかもしれない。
多い時はカメラマンが10人ほどやってくるらしいが、
今のところまだそれらしき人はいないが、その数十分後に一組のカメラマンが大歳神社付近に向かっていた。



西竜庵三島観音の前に広い路肩があるのでそこに車を止めて、
少し明るくなったところで大歳神社の周辺を散策。
太陽の上がる位置と大歳神社の木々の形を考えて西側から狙おうと決めていたので撮影場所に時間はかからなかった。
田畑が広がる光景も今では雪に覆われ真っ白な銀世界だが、
今は少し雲が朝焼けで淡いオレンジ色に染まりつつあった。
雪が深ければ自由に動けなかったが、今日は先日の暖かさで雪が解けたこともあって、
当初、道路から狙う予定だったが、雪道を踏み込んで農道から狙う。
日の出時刻は7時10分頃だが山があるので実際に出たのは7時40分頃だった。
霧も出なければ霧氷も無く、太陽が出たと思えばすぐ雲に隠れ、
それでも日差しが雪に当たればキラキラ輝き、
一瞬の光景を狙ってシャッターを切っていく。
今回はそのキラキラ感をもっと出すためにハーフNDからPLフィルターに装着替え。
PLフィルターは反射をカットする役目があるが、
逆に反射を強くする効果もあるので、今まで朝にPLフィルターを付けることをしなかったが、
今回は敢えてPLフィルターを付けて撮影してみた。
どんな結果になっているかわからないが芸北の雪景色らしさが少しは撮れていることに期待したい。





大渡橋の吊橋〜広島県芸北町

本来であればこの後、霧氷の景色を散策しながら撮って行きたいところだが、
霧氷どころか着雪すら見当たらない光景に、さてこれからどうしようかととりあえず車を走らせてみた。
まずは八幡湿原へ行ってみようと思ったが、赤蕎麦畑附近で除雪が終わっており断念。
聖湖も水面は凍結しているように見えたが、
雨不足でかなり水位が下がっており、おまけに木々に着雪が無いので殺風景過ぎる。
正直村まで車で行けたが、それより先は除雪しておらず断念。
歩いて行こうと思えば行けないことは無かったが今日は止めておく。
東側からのルートはダムの管理者が轍を作ってくれているので一応管理棟まで行くことは出来た。
霧氷になっていればダムから見下ろす光景も見応えがあったかもしれないが、
そこまで冷え込むと管理棟まで来れなかったかもしれない。


※八幡地区の赤蕎麦畑も雪で真っ白。


※聖湖

深入山は意外と車がたくさん止まっており、
いこいの村の利用者やスノーシューを付けた登山者など訪れる人が多い。
どんな景色なのか行ってみたかったが、
スノーシューが無いと入れそうに無かったので止めておく。


※深入山は意外と人が多かった。

10時40分、今回の芸北訪問で一番気になっていた場所が大渡橋から見える吊橋。
普通に農道を走っていると気付かないが大渡橋のすぐ下に何と吊橋がかかっており、
これはかつて農道が出来る前の旧道として利用されていたらしい。
既に橋の役目は終わっているようだが、
大渡橋から見下ろす光景は不思議で美しく、知る人ぞ知るまさに隠れた名所になっている。
霧氷で真っ白な世界を想像していたが、やはり想像を遥かに下回る着雪量。
それでも八幡地区より着雪があるのでせっかくなのでシャッターを切ろうと思ったら、
天候が急変して吹雪になってしまい撮影不能。
雪が落ち着くまで車の中で待機していたが収まる気配が無いので後でまた寄ることにした。


※撮ろうと思った数分後に大雪に見舞われる

大渡橋からずっと下っていくと猪山地区になり温井ダムを俯瞰出来る展望台がある。
ここも気になる場所の1つであったが、展望台に続く道が除雪されておらず、
それでも歩いて行けないことは無さそうだったが、
山々の着雪が殆ど無いので止めた。


※温井ダム周辺の山々に着雪は殆ど無し

さらに南下して戸河内まで戻る。
当初予定に無かったがせっかくなので井仁の棚田へ行ってみることにした。
狭くカーブが続く急な坂道は一部凍結していたが何とか辿り着くことが出来た。
結果的には雪が思ったほど積もっておらず何とも中途半端な光景。
もう少し積雪があれば面白い雪景色の棚田が見れると思っていただけに残念。
トンネルに大きな氷柱が出来ていた方が感動と衝撃だった。


※せっかく来たけど収穫は無し

再び大渡橋に戻ってきたのは13時40分。
先ほどの雪で着雪を期待していたが風で落ちたのか余計に着雪が目立たなくなっていた。
撮影するつもりは無かったが青空が広がっているので一応撮影。
橋のすぐ下に吊り橋があるので三脚は使えず手持ち撮影するのにかなり苦労した。
今回は記録用に撮影したが春の新緑、秋の紅葉など時期を変えて再び訪れてみたいと思う。
そしていつか霧氷に染まる景色も。


※戻ってきた時には前よりも着雪が無くなっている


都川の棚田〜島根県旭町

特にすることも無くなったので今日の最終目的地でもあるサイオトスキー場へ行こうと思ったが、
少しだけ足を延ばして都川の棚田へ行ってみることにした。
さすが県境の峠越えだけあって県道113号線は圧雪道路となっており、
峠を越えて下っていく時、帰りは上がれるのか心配になるくらいだった。
少し下ると圧雪道は無くなったが周りの景色はそれなりに雪深い景色である。
都川の棚田に訪れるのは久しぶりだが、
いつも芸北へ訪れると空いた時間を見てちょっと寄ってみようかというくらい。
単独で行くには遠いが芸北まで来るとひと山超えたらすぐなので近い存在である。



14時40分、晴れているがどこからの雪雲から粉雪が降っている。
何度か訪れているので都川の棚田自体には特に新鮮さは無いが雪景色の棚田は滅多に見ないので新鮮に感じる。
先ほど訪れた井仁の棚田もこれくらい雪が積もっていたらまた見方が違っていたと思う。
田んぼはすっかり雪で覆われ、石垣も少しだけ雪化粧。
ちょうど午後の日差しが棚田に当たって立体感が生まれて訪れる時間帯としてはちょうど良かった。
構図探しに周辺を散策したが、雪のせいでどの角度から見ても同じように見えるので、
初めての雪の棚田撮影だったが意外と難しいものだと痛感した。


ユートピアサイオト スノーフェスティバル〜広島県芸北町

15時30分、駐車場に到着。
ユートピアサイオトは島根との県境にあるので都川地区からさほど時間はかからなかった。
今日明日とスノーフェスティバルが行われ花火が上がるとなればそれなりに混雑しているかと思ったが、
このご時世に遠方からスキー客が少ないのか駐車場は全然余裕があった。
スキーをしないのに駐車場代1000円払わないといけないのは納得いかないが、
花火の協賛金と思って支払う。
サイオトに来たのは2006年のカウントダウン花火以来なので実に14年振り。
あの時は辺りが暗くて周りの景色は何一つ憶えていないので、
14年振りに訪れても懐かしいという感覚は無く、すべての景色が新鮮に感じる。
標高の高い山頂までゲレンデがあり積雪の多い地域だけにスキーをする人にとっては最高の場所かもしれない。



事前に買っておいた弁当を食べた後、現地調査を兼ねてゲレンデを散策。
スキーをしないので完全に場違いだがゲレンデを散策するのは意外と嫌いではないが利用者にとっては迷惑かもしれない(笑)
花火を撮る場所は決めていたので、後は打ち上げ場所の確認と撮影場所の再確認。
その後、雪が降ったり止んだりの繰り返しだったので、帰りに備えて車の中で待機した。
夕方になってステージイベントが始まり、冷やかし程度に観覧したり、
夜間照明が焚いたゲレンデをウロウロしたり時間を潰しているうちに打ち上げ時刻の19時が迫ってきた。
雪は微妙ながら花火が上がる頃には止んでくれたのは奇跡のようだった。



約350発、扇打ちなどもあり久々に見る牛尾煙火の花火を楽しませてもらった。
当初、15分くらい上がると聞いていたが実際には10分も無かったのが残念。
残念といえば前景にセンターハウスを入れて花火を狙っていたのだが、
打ち上げ直前に室内照明が消えて、何だかよくわからない絵になってしまったかもしれない。
それでもこのようなご時世に公式で花火を上げるイベントを開催したのは北広島町などの尽力があってこそ。
例年に比べればやはり来場者が少ないように感じたが、
訪れた人達はきっと良い思い出になったに違いない。



帰りは県道40号線を通って千代田、豊栄経由で帰ってみた。
結果的にずっと下道で走ったが3時間弱と思ったより早く戻ることが出来た。
芸北までのアクセスは何パターンかあるが、
尾道と糸崎のバイパスが開通して、数年後に吉田向原トンネルも開通すれば芸北が随分近く感じてきた。


※構図的には良かったが花火打ち上げ直前に室内がすべて消灯。




写真館 二千年一夜