小豆島初上陸初日〜香川県土庄町、池田町、内海町

以前から小豆島の寒霞渓に行きたい!と思いながら行けなかったのは、
高額なフェリー代がネックだった。
今年の春は港に車を置いて小豆島に上陸してレンタカーかレンタサイクルを借りることも考えたが、
タイミングが合わず断念。
去年の寒霞渓の紅葉をSNSで見て来年は絶対に行きたい!と思っていたので、
今秋はたとえ高額なフェリー代を払っても行くつもりで計画を立てた。
日帰りでも良かったが朝の寒霞渓をじっくり撮りたかったのと、
急遽、花火が上がる情報が入ったのが一泊二日の決定打となり、
かなりの高額な予算になるがそこはもう深く考えることは止めた。





小豆島へ渡るフェリーはいくつかあるが、
新岡山港からのアクセスが一番安価で便数も多いので新岡山港から上陸。
始発の6時20分に乗りたかったが早起きが辛いので、
2便目の8時40分発を目指して7時00分に家を出発。
早島インターから国道2号線を東に走り、あまり目立たない新岡山港の案内板がある県道45号線に入って港を目指す。
事前に把握していなかったら間違いなく通り過ぎていた。
港に着く前に朝食を調達してから港で切符を購入。
軽自動車といえど片道5900円はやはり痛い。
せめて往復割引とかあればもう少し早く小豆島に来れていたかもしれない。
8時20分に港に着いた時は既にたくさんの車が順番待ちしており、
大きなフェリーなので積み残しは無いと思ったが、
実際に出港した時に港を見ると数台積み残されていた。
もし大型トラックやバスがいたら乗れなかったかもしれないし、
仮に早く港に着いたとしても予約車が優先なのでハイシーズン時は早めの便に乗船した方が良さそうだ。



何はともあれ無事に8時40分の便に乗れたので、
1時間10分の瀬戸内クルーズを楽しみながら朝食を食べる。
殆ど波の無い穏やかな海に青い空とちょっぴり冷たい風が心地良かった。
9時30分、土庄港に到着。
ついに念願だった小豆島に初上陸。
瀬戸内海のど真ん中に位置する少しだけ大きな島だが、
土庄町は島とは思えない賑わいでよく見かける店がたくさん並んでいた。
港からすぐ近くに有名なエンジェルロードがあるので寄ってみた。
5時25分前後3時間が見頃ということで、着いた時は既に10時を回っておりエンジェルロードは水没。
ただ薄ら砂道が見えるし観光客は誰もいないので写真を撮るならこのタイミングがちょうど良い。
ただ夏場だと浅瀬を歩く人もいるかもしれないがそれはそれで絵になるかもしれない。
時間帯的に逆光だったので今日は撮影せずに現地調査のみ。



国道436号線を走り寒霞渓を目指す。
山頂附近の展望台も気になる所だが、
まず最初にどうしても行きたかった寒霞渓の麓にある猪谷池に向かった。
11時20分、猪谷池に到着した時は澄み切った青空に気持ちの良い日差しが全体に当たっていた。
ロープウェイ乗り場から少し下った所に猪谷池があり、
寒霞渓がその池に映り込むため、目の前を通ると誰もがつい寄ってしまいたくなるくらい美しい場所である。
時間帯的に風があって完全な水鏡にならなかったのが残念だったが、
こんなに良い天気の下でもう撮れないかもしれないので写真に収めておく。
色付きとしては少し物足りないものがあるが、
山の麓なのであと1週間くらい遅い方が良いのかもしれない。
ただそれだと山頂は既に終わっているだろうから訪れるタイミングが難しい。



山頂までは車とロープウェイ、それに表と裏の登山道がある。
とりあえずロープウェイ乗り場へ行ってみようと思ったが、
駐車場があまり広くないので満車になっていて、
仕方ないので猪谷池まで戻り、車を置いて裏登山道から紅葉が綺麗という石門まで行ってみることにした。
12時15分、石門に到着。
上り坂の多い道のりで少し疲れたが紅葉のトンネルが広がりとても綺麗。
ただ渓谷の深い場所に位置するのか、この時間にして既に日差しが当たっておらず人も疎らで少し寂しい雰囲気になっていた。
少し散策してこのまま山頂を目指すが下山して車で山頂を目指すか・・・
せっかく石門まで歩いて来たのでそのまま山頂を目指すことにした。
ちなみに登山口から山頂まで高低差約400m。
1時間あれば着く道のりらしいが平坦な道はほぼ無いので確かに1時間上がり続ければ400m上がれるのかもしれない。
裏は8景、表は12景の見所があるようで大小様々な奇形の岩が楽しめるが、
景色が開けた場所は無いので撮影することも無く、ただひたすら山頂を目指した。



13時10分、山頂に到着。
ほぼ予定通りで道は整備されているので楽では無かったが普通の登山道に比べると楽な方だった。
時間が時間だけあって山頂は観光客で賑わっており、
ロープウェイもそれなりに順番待ちが出来ている。
とりあえず予め買っておいた昼食を休憩がてら頂く。
ロープウェイ乗り場から表登山道の入り口までの間、
いくつか展望台がありそれぞれ特徴のある景色が楽しめる。
大きく分けるとロープウェイ乗り場附近、鷹取展望台、四望頂。
他にもあると思うが時間の関係上、今回はその3ヶ所のみ調査。
残念ながらパンフレットのような景色や紅葉の色付きとは程遠く、
また時間帯、太陽の位置も考えて撮影しなければいけなかった。
そして何より今日は霞が多く見通しが悪くて写真にならない。
上空は綺麗な青空なのだがここ数日暖かく雨が降らないとこんな状態になってしまうのか。
お蔭で山頂付近の紅葉は落葉せずに持ち堪えてくれたので散策するにはちょうど良かった。
結局、山頂では現地調査のみで撮影はせずに表登山道を下山。



裏登山道に比べると表登山道の方が道が綺麗で歩きやすいが、
こちらもまた平坦な道は無くひたすら坂道が続く。
15時00分、ロープウェイ乗り場まで戻ってくると紅葉も綺麗で久しぶりにカメラを取り出してシャッターを切った。
日差しは辛うじて当たっていたがやはり撮影するなら午前中。
どこの名所もそうだが秋は午後になると日が陰るのが早い。
15時30分、寒霞渓をほぼ一周して猪谷池まで戻ってきた。
水面を見ると殆ど波が無く水鏡になっていた。
これで日差しが当たれば綺麗なんだけどなぁ・・・と思ったら雲から太陽が出てきて日差しが当たり始めた。
これはまさに奇跡的瞬間。
急いでカメラを取り出しシャッターを切った。
日差しが当たっていると言っても全体的に当たっている訳ではないが、
それでも十分綺麗で西日だと紅葉の色付きがより一層と濃くしてくれた。








今日の紅葉撮影はこれで終了。
夕焼けが綺麗ならエンジェルロードまで戻ってみようかと思ったが、
暗くなると花火の撮影に支障が出るので、
いつでも撮れるエンジェルロードは諦めて花火の会場である道の駅オリーブ園に向かう。
今夜行われる花火は誰が何のための花火なのかわからなかったが、
ギリシャ風車へ行ってみると何やら関係者の人達が準備をしていたので、
尋ねてみると旅行会社によるイベントとのこと。
ランタンなども行われるらしい。
そういえばネット調査でそのような企画があったのを思い出した。
会場の規模からしてそんなに大勢の人が集まるような気がしないが、
筒場を見るとオリーブビーチの沖に台船が停泊しており、
8号玉の筒があったりそれなりの物量を積んでいた。
どこから撮ろうか道の駅周辺を散策してみたが、
国道436号線から北側が緩やかな斜面となっており、
どこからでも台船を見下ろせる地形になっているので、
道の駅から少し西に行った農道沿いにあるオリーブ園辺りから狙う。
前景に国道436号線の光跡が入ればアクセントになってすっきりした構図に収まりそう。
距離にして約500mと8号玉を狙うには程よい距離感。
暗くなる前に機材をセットして花火打ち上げ時刻まで車内で待機する。



18時45分、道の駅辺りから何やら音楽が流れているようだがイベントが始まったのだろうか。
その時、8号玉が打ち上がった。
間髪入れずに2発目が打ち上がる。
1発目は雌雄芯の割物、2発目は3度咲、いや4度咲千輪?どちらも素晴らしい玉だった。
それに発射音、開花音共に寒霞渓に反射して瀬戸内海に響き渡るこのズシっとくる体感は久しぶりに味わったような気がする。
その後も普段見られないような八方咲や時差式牡丹、
また打上方も上手く、大小タイミングよく開花させて夜空一面を彩った。
このような花火が見られるなんて予想もしていなかったが、
ギリシャ風車で現地調査をしている時にアルプス煙火のTシャツを着ている人が居て、
まさかアルプス煙火がわざわざ小豆島まで来るはずは無いだろう。
どこぞの花火好きのスタッフだと思っていたが、
花火を見てアルプス煙火なら妙に納得させられる。
後でアルプス煙火のHPを見ると取引先に小豆島が記載されていたので、
Tシャツを着ていた人は本物のアプルス煙火の花火師だったことになる。
この企画は明日、そして次の週末も開催されるので、
小豆島が気軽に行き来出来るのなら見てみたかった。
せめて明日なら・・・と思ったが最終便に間に合わないし、
さすがに二週続けて行けるほどお金に余裕は無い。
僅か8分、花火だけの時間でいえば6分くらいの時間だったが、
この短時間で満足させてくれるアルプス煙火の凄さを改め知ることになった。



瀬戸内海の美しさ、寒霞渓の壮大さ、そして花火の芸術。
この1日で凄い贅沢な時間を過ごすことが出来た。
そんな思いで一杯だったが昼食をあまり食べていなかったので空腹は満たされず、
とりあえず土庄町へ行って予め目星をつけておいたラーメン屋へ向かう。
明日の早朝撮影に備えて今日は早めに就寝。

※花火について
観光庁既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業助成金適用事業
〜島で願いを 小豆島キャンペーン2021 花火&スカイランタン〜

小豆島の夜空に光でアートを絶景スポットが多数ある小豆島内でも、屈指の絶景スポットである道の駅小豆島オリーブ公園のギリシャ風車広場にて、
小豆島の夜空をキャンパスに見立て、中四国エリア初の「花火 ×スカイランタン」のイベントを開催。
平和の象徴であるオリーブを前に、 1日も早い新型コロナウィルスの収束を願い、
参加者それぞれの願い・想いを込めたスカイランタンを上げ、
イベント参加者が小豆島の夜空に「花火 ×スカイランタンのアート作品を創る参加型イベント」




写真館 二千年一夜