荘原花火の夕べ〜島根県斐川町

毎年8月15日に斐川町荘原地区で夏祭りが行われているが、
今年は夏祭りを中止して花火の夕べと題して花火だけ上げる。
てっきりサプライズ花火だと思っていたがネット上にも公式で載っており、
たしかに8月15日といえば全国各地の至る所で大きな花火大会が行われているので、
情報誌にも載らない小さなお祭りに気付くことも無く、
コロナ禍だったからこそ出会えたお祭りとなった。






一応臨時駐車場もあるしお祭りが無いのであれば早く行く必要も無いだろうから、
現地に18時30分頃に着くように家を出た。
昨日までの大雨で一時はどうなることかと思ったが、
備後地区では西日本豪雨の時みたいな大きな被害も無く、
厚い雲の隙間から綺麗な青空が見え隠れして日差しも射していた。

荘原地区に着いてまずは筒場の確認。
200mのワイド演出がどのようにセッティングされているかで撮影場所が決まる訳だが、
予想だと荘原小学校のすぐ北にある新建川沿いに設置すると思ったが、
それよりさらに100m北側の農道に設置されていた。
あらかた予想は当たっていたが、ワイドの設置場所が新建川沿いでないとすると、
予定していた撮影場所では距離にして約130mとあまりにも近すぎる。
そして5号玉が上がる単発の筒場がワイドの東側ということもあって、
それなら西側から角度を付けて撮ればワイドと単発両方が撮れる。
正面から狙うか西側から狙うか・・・そんなことを考えながらウロウロ歩き回っていると、
地元の人からすれば不審者に思われたかもしれない。
花火の夕べという割には、案内板も警備員も通行止めの看板も無く、
唯一、花火エリアの立ち入り禁止だけがあるくらいで、
知らない人が見れば花火が上がるとは到底思わない。







近くに空港があるので低空飛行する飛行機につい見惚れてしまった。
荘原地区に住んでる人にとっては当たり前の景色なんだろうけど、
見慣れない物を見るとワクワクしてしまう。
とりあえず腹ごしらえに近くのスーパーで夕食を買い、
ご飯を食べながら撮影イメージを膨らませる。
数日前まで暑かったのにエアコンを付けなくても涼しく、
どこからともなくヒグラシの鳴き声が聞こえて心地良かった。
花火だけなら20時00分から上げてくれても良さそうだが、
毎年20時30分から上げているようなのでそれに合わせているのかもしれない。
現地に着いてしばらくは殆ど人影が無かったが、
20時を過ぎた辺りから徐々に人が増えて来た。
正直、臨時駐車場が用意されているくらいなので場所取りがあるくらい混むかと思ったが、
360度どこからでも見れる環境なので場所取りをするほどでもないのか、
或いは地元住民以外の告知はしておらず認知度が無いか、
どちらにしても例年の混雑具合が分からないので何とも言えない。
お蔭でこちらとしてはストレスも無く撮影出来るので好都合。
正面で撮るか西側から撮るか少し悩んだものの、
今まで角度を付けて撮影して失敗に終わっているので、
たまには正面から狙うのも有りかな、ということで正面に決めた。



20時30分、花火が打ち上がる。
単発がメインでのんびりした内容だがスターマインの代わりにワイド演出が何パターンか披露される。
なかなかワイド花火を見ることが出来ないので近距離でのワイド演出は迫力がある。
前景に何かあれば絵になるが周りが田んぼなので灯かりもわずか。
月の灯かりで何とか構図チェックが出来るがワイド花火を画角に収めるのは至難の業で、
当初、単発も撮ろうと思っていたが、
途中からワイド花火だけに絞って画角を変えずに狙うことにした。
担当する花火業者も荘原は受け持っている中でも力を入れている現場ということもあって、
演出にはかなりの拘りがあったと思われるが、
まじかで見る200mワイド演出はやはり凄い訳で本当に良い物を見させてもらった。
結果的に近すぎたということもあって思い通りの撮影が出来ず、
欲を言えばあと50mくらい下がって撮ってみたかった。

花火終了後は特に混雑することも無くすんなり駐車場を出ることが出来た。
荘原地区には何度か仕事で通過していることもあって、
今はもうその仕事から離れているので来ることは無かったけど、
このような形で再び荘原地区に訪れることが出来て、
僅かな時間であったけど良い時間が過ごせた。
明日は同じく荘原地区内の新建川で精霊流しが行われる。




写真館 二千年一夜