尾原ダムの花火〜島根県木次町
山王寺の棚田撮影を終えて一度家に帰宅。
早朝撮影で疲れていたので尾原ダムへ行くことを迷ったが、
アルプス煙火が上げるのなら行かない理由は無いので、
少し仮眠して16時に再び片道150キロの道のりを北上する。
雲南吉田ICで降りて県道、農道を走って国道432号線に合流すると尾原ダムに到着する。
17時30分に道の駅おろちの里に車を止める。
この日はダムロックフェスという音楽イベントが行われているので、
駐車場は満車に違いないと思ったが、
逆に車が数台止まっていただけで呆気にとられた。
道の駅も既に17時で閉店しており何とも寂しい光景の中、
本当にイベントが行われているのか不安になったが、
耳を澄ませば遠くから音楽が流れていることがわかった。
尾原ダムで花火が上がることを知ったのはアルプス煙火のフェイスブックだった。
しかし内容や規模はまったくわからず、それ以上の情報は何も無くネットで調べても何も見つからないので、
今年初めての打ち上げということになる。
尾原ダム管理のHPにも花火打ち上げのことがかかれており、
ダム上に架かっているスサノオ大橋からが花火ビュースポットと記載されていたので、
一番近い道の駅に車を止めてとりあえず現地調査。
湖畔に何やらシートが掛けられていたが、掘削工事の現場のようだった。
しかしよく見るとその工事現場の隅に筒らしきものと消火器、そして人影があったので間違いない。
通常の花火現場であれば、2t車が一台止まっているものだが、
2t車も止まっていないということは、打ち上げの規模の想像が付く。
ただすべての筒が斜めにセットされているように見えたので、もしかして面白い演出を見せてくれるのでは?と期待する。

少し時間があるので車でダムを一周。
管理センターがダムの見学スポットになっており、
また年に一度行われるお祭りのイベント会場になっているようだ。
ここから花火を見るのも悪くないと思ったが、
筒が見えず距離もありそうなので、やはり大橋から狙うことにした。
せっかくなのでダムロックフェスで花火の情報収集しようと試みたが、
入場料が発生してしまうので断念。
係員に花火のことについて聞いてみたが、曖昧な返答でこれといった参考にならず。
打ち上げの20時前に機材をセット。
誰もいない寂しい、というより怖い雰囲気だったが、時間が経つにつれてどこからとなく人がやってきた。
もしかして自分がここでカメラをセットしている姿を見て集まったのかわからないが、
多分、音楽イベントが終わってこちらへ流れて来た人達に違いない。
そして20時、花火が打ち上がるはずだが上がらない。
いつ上がるかわからないので気は緩めないが、5分、10分経っても一向に花火は上がらず、
もしかして20時30分からでは?と思ったが、それでもまだ上がらない。
定刻通り20時に上がっていればとっくに終わっているはずの花火だが、
それでも未だに人が増えているのは、音楽イベントが長引いているせいなのかもしれない。
イベントの最後を飾る花火なら終わるのを待つしかないが、
イベント会場から離れているので、いつ終わるのかまったく情報が入ってこないのでわからないが、
かすかに聞こえる音楽からしてまだしばらくは終わりそうになさそうだ。
さすがに21時になろうとすると、観覧客も徐々に愚図って来た。
そもそも本当に花火が上がるのだろうか!?
会場に警備員も消防団もいない花火会場が今まであっただろうか。
カメラを構えているせいか、そんな質問をいろんな人に聞かれたが、
何分、詳細な情報が無いので曖昧なことは言えなかった。
すると関係者らしき人が20時55分から花火が打ち上がりますと案内していたので一安心。
そしてようやく花火が打ち上がった。

予想通り花火は湖に向かって斜めに打ち上がる。
最大3号玉かと思われるが、少し角度を変えて単発が上がる。
筒を見て予想はしていたが、時間にして5分の演出。
事前に知っていれば、果たして行っていたかどうか微妙だが、
夏の最後にアルプス煙火の花火が見れただけでも来てよかったと思いたい。
実際に湖に映り込む花火は湖ならではの美しさがあり、
また銀とピンクが混じった点滅牡丹は珍しくとても綺麗だった。
観覧客も待たされた割には誰一人文句を言う人もおらず、それなりに楽しんでいたように感じた。
イベントの最後を飾る花火にしては少し物足りないものがあったのでは?と思ったが、
実はイベントと花火は何も関連されておらず、ただ花火主催者が尾原ダムで花火を上げたかったらしい。
どうせ上げるなら音楽イベントがあるので、イベントの最後に花火を上げることになったらしいが、
イベントがここまで長くなってしまうとは予想外で、早く終わって欲しいと思っていたのだとか。
何はともあれ無事に花火が上がり、花火主催者の夢は叶い満足していた様子だった。
湖面に映り込む斜め打ちは、少ない球数が2倍に見えるようにと拘りの演出だったらしく、
その演出は見事に成功となった。
尾原ダムの花火は来年もあるかどうかわからない。
もしかしたら最初で最後になるかもしれない。
そんな小さな花火大会は、実は島根県内各地で行われており、
僅かな予算でも拘りの演出と美しい花火と打ち上げてくれるのがアルプス煙火の島根部隊なのであった。
写真館 二千年一夜