常清滝〜広島県作木村
年が明けて待ちに待った寒波は大雪をもたらし、三江線は見事に運休となり、
せっかく冬用タイヤを履いたのに未だ活躍の場が無い。
天気予報だと広島県北では珍しい最低気温がマイナス8度まで下がり、
確かに夜の空気の冷たさは尋常じゃなかった。
これは滅多に訪れることの無い常清滝の氷瀑が見れるチャンスであった。
家を出たのは8時頃。
尾道北部でも2日前の雪が残っているので県北は相当寒いに違いない。
やまなみ街道を北上して晴れ渡る空は徐々に曇り周りの景色も雪が増えてきた。
今回はいつも走る国道375号線は通らず口和IC経由で向かうと、
口和ICを降りた瞬間、辺り一面が銀世界で道路も圧雪状態となっており、
道路の寒暖計はマイナス5度になっていた。
何度も走り慣れている道に見慣れた景色も雪景色となると、
思わず立ち止まりそうになったが、時間が押していたので急いで常清滝へ向かう。
国道54号線は日差しが当たりすっかり溶けていたが作木へ向かう道は再び圧雪状態。
そして青空も無くなり雪が降り出したかと思えばまた日差しが当たったり天気は目まぐるしく変わっていく。

常清滝には思いのほか順調に着いて10時20分頃。
駐車場は除雪されておらず、とてもじゃないが先には進めないので近くにある庁舎に車を止める。
車から出ると思いのほか空気が冷たく無い。
気温もマイナス1度で国道54号線を挟んで随分と環境が違うようだ。
除雪された市道を歩いて遊歩道からは積雪40cm以上ある道のりを進んでいく。
先客がいなければ引き返そうと思ったが、
この雪の中、必ず先客がいると信じて来た甲斐あって遊歩道に続く道が出来ていた。
ちょうど遊歩道の入り口に差し掛かったところで先遣隊が戻ってきた。
滝は氷瀑している話を聞いてテンションが上がったが、
途中、倒木があり川を歩かなければならないらしい。
長靴があれば大丈夫とのことなので、とりあえず行けるところまで行ってみる。
道は出来ているが雪は深く歩き慣れないで、足を取られて雪塗れになりそうだった。
途中の倒木も川を歩いたことで何とかクリア出来たが、
400mの遊歩道がこれほど険しく長く感じたことは無かった。

先遣隊とすれ違ってからもう誰もいないと思っていたが、
滝見台にカメラマンが撮影している姿を見て、どことなく閉ざされた世界から光が見えたような気がした。
常清滝は完全氷瀑というまではいかなかったが、いつも聞こえてくる飛沫の音が小さい。
見慣れた姿は見事に雪化粧されているが、雪が多すぎて氷瀑が目立たず思いのほか感動は無かった。
とりあえず雪が止むのを待って構図を練っていたが、
雪深い遊歩道で動ける範囲は無く、滝見台から1パターンのみの撮影となった。
時折、枝に積もった雪が落ちて一歩間違えるとカメラが雪塗れとなるが、
たまたま滝見台に傘があったのは奇跡としか言いようがない。
長く撮影しているが雪景色の経験はあまり無いので、
とりあえず白い被写体なのでプラス補正に合わせ、
滝撮影なのでPLフィルターを付けたが、保険にフィルター無しでもシャッターを切る。
構図も常清滝は落差があるためいつも悩まされるが、
今回は滝らしさが目立たないので特に頭を悩ました。
またタイミングによっては日差しが当たったり当たらなかったりで露出条件も変わって来て、
改めて雪景色の撮影の難しさを知った。
そうこうしているうちにこの難所に新たにカメラマンがやってきたので、
撮影場所を譲り撮影は終了。
来た道を戻らないといけないのかと思うと憂鬱になるが、
気温が上がり雪崩が起きると怖いので早々と撤収した。
この後、神谷の棚田へ行ってみようと羽須美へ行ったが、棚田を目前に倒木で通行止めで敢え無く断念。
帰りは国道375号線を走って雪景色の三江線を現地調査。
路肩や歩道は積雪で入ることが出来ず、今までの経験はあまり役に立たないことがよくわかった。

写真館 二千年一夜